通信制高校の仕組み

知っておきたい 通信制高校の仕組み


自分に合ったペースで学び
全日制と同じ高校卒業資格取得へ

通信制高校は、学力や興味、それぞれの事情に適した学習スタイルで単位を修得できる、自由度の高さが魅力です。
学校数は増えていて、コースもさまざま。全日制高校と同じ高校卒業資格の取得を目指せます。

卒業には3年以上在籍して74単位以上を修得
添削指導や面接指導を受け、特別活動にも参加を

通信制高校は、全日制高校と同じく、学校教育法の一条校(※1)です。必要単位数を修得して卒業すれば、高校卒業資格を得られます。

通信制高校の大半は、学年ごとに決まった単位を修得して進級する「学年制」ではなく、「単位制」を採用しています。文部科学省の調査では、2018年度は、修業年限3年の221校のうちの202校と、9割以上が単位制による課程となっています(※2)。全日制高校に多い学年制では、出席日数が足りない・合格点に達しないなどで、原級留置(留年)になる場合がありますが、単位制では、学年を単位としないので、留年はありません。

通信制高校を卒業するには、3年以上在籍して、74単位以上を修得することが必要になります。添削指導(レポート)と面接指導(スクーリング)、単位認定試験を受けることで、単位を修得します。学校行事やホームルームなどの特別活動への参加も、30単位時間以上必要です。面接指導の一部は、NHK高校講座などの放送視聴などで代えられる場合もあります。なお、ほかの高校に在籍中で転入学する、または退学していて編入学する場合、それまでの修得単位を引き継ぐことができます。

登校日は学校によってさまざま
マイペースに学べ、仲間と交流する機会も

学習内容は、学習指導要領に従って構成されていますが、カリキュラムは学校によって異なり、全日制と同じように毎日登校できる学校もあれば、年間で何回か集中的にスクーリングを行う学校もあります。週に数日の登校で「大学進学を目指す」「専門分野でスキルを磨く」など、目的別のコースを設置している学校もあります。

毎日登校する必要がなく、自分のペースで学習に取り組めるのが、通信制高校の最大の特徴です。中学時代に不登校だった人、学業不振などで全日制の卒業が困難な人、「起立性調節障害」といった病気で午前中の登校が困難な人などにとって、学びの場となっているだけでなく、スポーツなど自分の得意なことに専念したい、難関大学に進学したいなどの目標をかなえるために、主体的に選択するケースも増えています。

多くの通信制高校では、校外学習や修学旅行、体育祭、文化祭などの学校行事や、クラブ活動も行われていて、マイペースで学ぶだけでなく、仲間と交流を深めることもできます。

通信制高校の数は少しずつ増加しています。多彩な選択肢の中から、子どもに合った学校を選ぶためには、学校説明会やオープンキャンパスに足を運んでみるのもよいでしょう。

10年間で50校以上増加。生徒数は18万6502人

 文部科学省の「学校基本調査」によれば、2018年度の全国にある公立・私立の通信制高校数は252で、増加が続いています。
生徒数は、2012年度がピークですが、この3年は増加傾向にあります。

【 1 】 通信制高校数の推移
1 通信制高校数の推移
【 2 】 通信制高校生徒数の推移
2 通信制高校生徒数の推移

通信制高校の入学から卒業までの流れ

  • ① 学校説明会やオープンスクールに参加
  • ② 入学新入学の場合試験…学科試験(行われない学校も多い)、書類審査、面接
    入学時期…4月(10月入学がある学校も多い)高校からの転入・高校中途退学者試験…書類審査、面接
    入学時期…随時
  • ③ 履修登録
  • ④ スクーリング・レポート・テスト・特別活動
  • ⑤ 単位認定
  • ⑥ 卒業

教えてQ&A

2016年に、南海岸和田駅前に開校した「神須(こうず)学園高等学校」は、大阪府と和歌山県の在住者を対象にした、狭域制・通信制高校です。教頭の岡本秀夫先生にお話を聞きました。

  • Q.どんな生徒が入学していますか中学時代に不登校だった生徒や、いったんほかの全日制の学校に進学したものの、さまざまな事情で学習が停滞した生徒などが、リ・スタートしたいと入学しています。2018年度は、中学新卒生と転入・編入生の割合はほぼ同じでした。
  • Q.どんなコースがありますか不登校経験のある新卒生のための「アシストコース」は、少人数制で、担任を中心に学習面・生活面
    を細やかにアシストします。一般的な自学自習の通信教育である「スタンダードコース」で学ぶ生徒もいます。
  • Q.入学試験の内容や入学時期は不入試は400字程度の作文で、本人の気持ちや姿勢を見ます。新卒生は、2月上旬に1次入試、その後、調整入試も行って、4月入学となります。10月入学も可能です。転入・編入生は随時受け入れています。
  • Q.登校日は何日くらい?休むとどうなる?前期・後期制で、通常は各期、スクーリングで5日程度、単位認定試験で2日程度登校します。スクリング欠席者には集中スクーリングがあります。アシストコースでは、スクーリングのほかに週2日~4日程度登校して学習します。
  • Q.どのような学校行事がありますか?進路説明会や校外学習などは、卒業に必要な特別活動として位置付けられ、年間予定を確認して希望する行事に参加します。例えば、登山を体育のスクーリング受講に振り替えることもできます。
  • Q.入学に当たって必要なことは?入学を希望する場合は、必ず、保護者と本人が直接来校して入学前説明を受けていただくようにしています。「変わりたい」「高卒資格を取りたい」という気持ちが大切です。