通信制高校の仕組み

知っておきたい 通信制高校の仕組み

全日制と同じ卒業資格取得へ
3年以上在籍、74単位以上修得
必要単位を修得して卒業資格を

近年、通信制高校は、学校数が増加傾向で、カリキュラムも多様化しています。

学力や興味、それぞれの事情に合った学校を選んで、高校卒業資格の取得を目指せるようになりました。

ほとんどが単位制で留年はナシ
添削指導や面接指導のほか、学校行事への参加も

通信制高校は、学校教育法の一条校(※1)であり、必要単位数を修得して卒業すれば、全日制高校と同じく、高校卒業資格を得ることができます。 全日制高校の多くは「学年制」ですが、通信制高校では「単位制」を採用している学校がほとんどです。全国高等学校定時制通信制教育振興会の「定時制課程・通信制課程高等学校の現状」(※2)では、「単位制」が93.8%、「学年制」は6.2%となっています。

単位制では、授業科目を「単位」と呼ばれる学習時間数に区分し、3年以上在籍して74単位以上(特別活動30単位時間以上の参加を含む)を修得し、卒業します。学年制では、出席日数が足りない場合や科目が合格点に達しない場合などは、原級留意(留年)となりますが、単位制では、出席日数は関係なく、学年を基本としないので、留年はありません。また、毎日登校する必要がないのが通信制高校の大きな特徴です。

単位を修得するためには、添削指導(レポート)と面接指導(スクーリング)、単位認定試験を受けます。面接指導の一部を、NHK高校講座などの放送視聴などで代えられる学校もあります。学校行事やホームルームなどの特別活動への参加も必要です。

カリキュラムは学校によってさまざま
多くの選択肢からそれぞれに合うスタイルを選んで

通信制高校の授業は、全日制と同様、学習指導要領に従って構成されていますが、カリキュラムは学校によって異なります。スクーリングも、毎日登校する場合や週に何日か登校する場合、年間で何日か集中的に行う場合など、さまざまです。「大学進学を目指す」「興味のある専門分野でスキルを磨く」など、目的別にコースが定められている学校もあります。

それぞれのペースに合わせて学ぶことができるので、中学時代に不登校だった人、学業不振などで全日制の卒業が困難な人、「起立性調節障害」といった病気で午前中の登校が困難な人たちにとって、学びの場となるのはもちろん、スポーツなど、自分の得意なことに専念したい人や、超難関大学への進学を目指したい人などが、あえて通信制高校を選択するケースも増えています。

多くの通信制高校では、校外学習や修学旅行、体育祭、文化祭などの学校行事や、クラブ活動も行われています。気の合う仲間と交流して、キャンパスライフを楽しむこともできます。

通信制高校の数は少しずつ増加しています。さまざまな選択肢の中から、子どもに合った学校を選ぶためには、学校説明会やオープンキャンパスに足を運んでみては。

※1=1947年に施行された学校教育法の第一条に掲げられている教育施設のこと。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(短期大学、大学院含む)、高等専門学校がこれにあたる。
※2=文部科学省の2011年度「高等学校の教育推進に関する取り組み」の実践研究として、全国高等学校定時制通信制教育振興会に委託調査した「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」による。全国の定時制課程または通信制課程を置く高等学校804校(定時制655校、通信制149校)にアンケートを実施したもの。期間2011年9月20日~ 10月31日/回収率91.9%。

10年間で50校以上増加。生徒数は18万2515人

 文部科学省の「学校基本調査」によれば、2017年度の全国にある公立・私立の通信制高校数は250で、増加が続いています。
生徒数は、2012年度がピークですが、この2年は微増傾向です。

【 1 】 通信制高校数の推移
1 通信制高校数の推移
【 2 】 通信制高校生徒数の推移
2 通信制高校生徒数の推移

通信制高校の入学から卒業までの流れ

  • ① 学校説明会やオープンスクールに参加
  • ② 入学新入学の場合試験…学科試験(行われない学校も多い)、書類審査、面接
    入学時期…4月(10月入学がある学校も多い)高校からの転入・高校中途退学者試験…書類審査、面接
    入学時期…随時
  • ③ 履修登録
  • ④ スクーリング・レポート・テスト・特別活動
  • ⑤ 単位認定
  • ⑥ 卒業

教えてQ&A

「N学」こと「NHK学園高等学校」は、1962年に設立された、日本で最初の広域性通信高校です。「NHK高校講座」の視聴のほか、インターネットの学習システムを利用して単位を修得することもできます。同校の野村博文さんに教えてもらいました。

  • Q.どんな生徒が入学していますかNHK高校講座を聞いて勉強することで、登校日数を少なくできることが本校の特徴。いろいろな理由で〝登校日数を少なくしたい、でも高等学校を卒業したい〟という方が入学されているようです。
  • 転入・編入する場合も、卒業には3年必要ですか?高等学校等に在籍していて途中から入学する場合は転入学、前の学校を退学している場合は編入学となります。転入・編入の場合、前籍高校の在籍期間を含めて3年で卒業ができます。
  • Q.入学の時期や選考方法について教えてください新入学・編入学は4月と10月に学習がスタート、転入学は12月中旬まで随時受け付けています。入学者選抜は、書類選考と面接で判断します。面接は、東京本校のほか全国のスクーリング会場や協力校で行います。
  • Q.どんなコースがありますかインターネットでレポート提出をする「ネット学習コース」と、郵送でレポートを提出する「ベーシックコース」、不登校の生徒も安心して学べる「ネット学習Do itコース」があります。
  • Q.コースを途中で変更することはできますか?年度末であれば、コースの変更は認められます。自分の学習しやすさをよく考えて、コースを選びましょう。
  • Q.登校日数はどれくらいですか?「ネット学習」「ネット学習Doit」の場合は年間10日程度、「ベーシック」なら年間20日程度登校します。科目ごとに決められた時間数以上の出席が必要ですが、数回お休みしても、単位の修得はできます。