通信制高校の仕組み

知っておきたい 通信制高校の仕組み

自分のペースで学べる単位制
必要単位を修得して卒業資格を

通信制高校では、興味や関心を広げながら、各自の学力や個性に合ったスタイルで学び、
高校卒業資格取得を目指します。学校数は年々増えており、カリキュラムも多彩に。
〝なりたい自分〟になれる学びの場を見つけられそうです。

添削・面接指導と特別活動への参加などで
全日制高校と同様の高校卒業資格を取得

通信制高校は、学校教育法の一条校(※1)であり、必要単位数を修得後に卒業すれば、全日制高校と同じく、高校卒業資格が得られます。
通信制高校の大きな特徴は、毎日登校する必要がなく、ほとんどが単位制であることです。
全国高等学校定時制通信制教育振興会の「定時制課程・通信制課程高等学校の現状」(※2)では、通信制高校で〝学年制〟を採用しているのはわずか6.2%。93.8%は、3年間以上で74単位以上(特別活動30時間以上の参加を含む)を修得する〝単位制〟です。

学年制では、出席日数が足りない場合や科目が合格点に達しない場合などは、原級留意(いわゆる留年)となりますが、単位制では、授業科目を「単位」と呼ばれる学習時間数に区分して修得していきます。毎日登校する必要はなく、学年を基本としないので、留年はありません。添削指導(レポート)と面接指導(スクーリング)、特別活動への参加(学校行事やホームルームなど)によって、必要単位数を満たし、単位認定試験に合格すれば卒業できます。

無理のない登校スタイルで
目標に向かってマイペースで学んで

授業は、学習指導要領に従って構成されていますが、カリキュラムは学校によって多彩。全日制と同じように、毎日スクーリングに参加できる学校や、週1日からの登校で、「大学進学を目指す」「興味のある専門分野でスキルを磨く」など、目的別にコースが定められている学校までさまざま。最近では、超難関大学への進学を目標に、あえて通信制高校へ進学する生徒も増えています。

基本的に登校することが必要とされているスクーリングも、体調や心理的要因、就労状況など、特別な理由によって参加が難しい生徒のために、NHK高校講座などの放送視聴を認めている学校もあります。自由度の高い登校スタイルは、「起立性調節障害」といった病気のために、午前中の登校が困難、中学時代に不登校だった、高校を中退した、学業不振で全日制の学校では卒業が困難など、さまざまな事情を抱えた人を、〝学びの場〟に呼び戻しています。一方、スポーツをはじめ、自分の得意なことに専念するために、あえて通信制高校を選択するケースも増えています。

多くの通信制高校は校外学習や修学旅行、体育祭、文化祭などの学校行事のほか、クラブ活動も盛ん。自分のペースで学ぶかたわら、気の合う仲間と交流し、思い出をつくることもできます。
通信制高校は毎年少しずつですが増え続けています。それだけ選択肢が増えているということ。子どもに合った学校を見つけるために、学校説明会やオープンキャンパスに足を運んでみませんか。

※1=1947年に施行された学校教育法の第一条に掲げられている教育施設のこと。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(短期大学、大学院含む)、高等専門学校がこれにあたる。
※2=文部科学省の2011年度「高等学校の教育推進に関する取り組み」の実践研究として、全国高等学校定時制通信制教育振興会に委託調査した「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」による。全国の定時制課程または通信制課程を置く高等学校804校(定時制655校、通信制149校)にアンケートを実施したもの。期間2011年9月20日~10月31日/回収率91.9%。

学校数は昨年度から6校増 生徒数は約3500人減の18万393人

文部科学省の「学校基本調査」によれば、2015年度の全国にある公立・私立の通信制高校数は237校、昨年に比べると6校増加。生徒数は少子化の影響もあり、2012年度の約18万9000人をピークに減少を続けています。

【 1 】 通信制高校数の推移
通信制高校数の推移
【 2 】 通信制高校生徒数の推移
通信制高校生徒数の推移

通信制高校の入学から卒業までの流れ

  • ① 学校説明会やオープンスクールに参加
  • ② 入学新入学の場合試験…学科試験(行われない学校も多い)、書類審査、面接
    入学時期…4月(10月入学がある学校も多い)高校からの転入・高校中途退学者
    試験…書類審査、面接
    入学時期…随時
  • ③ 履修登録
  • ④ スクーリング・レポート・テスト・特別活動
  • ⑤ 単位認定
  • ⑥ 卒業

教えてQ&A

「科学技術学園高等学校 大阪分室」(大阪府吹田市)では、生徒一人一人に合った教材を作成し、課題や試験は記述式中心。学習意欲の高い生徒が多く、達成感が得られる学びの提供を目指しています。教務主任の原田博司さんに聞きました。

  • Q.どのようなコースがありますか。入学試験はありますか?登校コース(週1日クラス、週3日クラス)とインターネットを利用して自宅で学ぶeラーニングコースがあり、作文の提出と面接を実施しています。入学は4月と10月ですが、転入生は随時入学できます。
  • Q.コースやクラスはどうやって選べばいいのですか?学校説明会や個別相談で、生活状況や学ぶ目的に合ったコースを学校側と相談。授業見学は何度でもOKです。また、入学後のコース変更については相談してください。
  • Q.全日制高校の授業の進め方と違う点は?週登校3日クラスでは、10人程度の全体授業と、個人のレベルに合わせた個別学習を組み合わせています。教材や課題も個別に作成し、基本を学び直し、得意な分野を伸ばしていきます。
  • Q.学習のサポート体制は?週1日クラスやeラーニングコースの生徒でも、いつでも登校して質問できます。三者面談や保護者会を実施し、家庭の理解を深め、学習環境を整えます。
  • Q.卒業後の進路は、どうなりますか?コンピューターや理容・美容などの学校と併修している場合は、その道への就職を考える場合が多いのですが、四年制大学などへ進学する生徒も多数います。多くの大学・短大・専門学校などから指定校推薦の対象校にしていただいています。
  • Q.通信制高校の選び方通信制高校のカリキュラムは多彩です。学力をつけたいのか、とにかく高校卒業の資格がほしいのかなどの目的をはっきりさせ、生活状態や家庭環境に合わせて、無理なく続けられる学校を選んでください。複数の学校の見学をおすすめします。