高等専修学校の仕組み

COLLEGE OF TECHOLOGY
高等専修学校の仕組みを知ろう!
知っておきたい高等専修学校の仕組み
「好き」や「得意」を生かして 知識と技術を身につけ、社会的自立へ
高等専修学校(専修学校高等課程)は、高等学校と並ぶ正規の後期中等教育機関であり、 技術や実務面の教育に重点をおく職業教育機関です。 生徒は毎日登校して、自分の「好き」や「得意」に合った分野を中心に学びます。 卒業後は、就職や進学など、社会的自立への道がひらけます。
  • 中学校卒業者を対象にした実践的な教育、専門学校・大学の受験資格、高等学校卒業資格も取得可能

    「専修学校」(※1)のうち、中学校卒業者を対象とした高等課程を設置する学校が、高等専修学校(専修学校高等課程)です。 資格の取得や学び直し、夢の実現など、生徒の多様なニーズに応え、柔軟な職業教育と人間教育を通して、成長を支援し、社会に送り出しています。現在、全国に386校あり、約3万3000人が学んでいます。

    修業年限は1年以上で、学科やコースにより異なります。3年制の課程を卒業すると、専門学校(専修学校専門課程)の受験資格が得られ、大学入学資格付与指定校で3年以上、普通科目を420時間以上(総授業時間数は2590時間以上)学ぶと、大学の受験資格が得られます。

    多くの高等専修学校は、「技能連携校」(※2)として、通信制・定時制の高等学校と提携しています。高等専修学校で修得した単位を高等学校での単位とみなす「技能連携制度」を利用すれば、高等専修学校と高等学校の2つの卒業資格が取得できます。

    入学には、願書や必要書類を提出し、受験。1~3科目の学科試験が多く、作文や面接のみの場合もあります。合格すれば4月から学期が始まり、毎日登校します。学校行事やクラブ活動が盛んな学校もあります。

  • 不登校経験者が得意を伸ばすことで自信を回復、学校に戻るきっかけにも

    高等専修学校は、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8つに分類されています。社会に出るために必要な基礎知識を学ぶ普通科目だけでなく、職業に直結する実践的な知識や技術を習得する専門科目が多く含まれ、学校ごとに、企業や病院などの外部組織と連携した実習・演習や、国家資格取得への挑戦など、特色あるカリキュラムが組まれています。卒業後の進路は、学んだ専門知識・技術を生かせる分野への就職のほか、近年は、専門学校・大学への進学も増えています。

    高等専修学校は、小・中学校で不登校を経験した生徒のセーフティネットとしても注目されています。全国高等専修学校協会の2022年度「高等専修学校の実態に関するアンケート調査」(※3)では、入学時不登校の3461人のうち約85%が、不登校が改善、または改善傾向にあるとの結果が。 カウンセラー資格や経験をもつ教員のサポートや、インクルーシブ教育の一環として取り組む少人数クラスの編成や個別指導の充実などが、その一助となっているよう。自分の好きなこと、関心のあることを学び、成果を出すことで、自信を回復し、学校生活に復帰するケースも見られます。

    ※1 修業年限が1年以上、授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上である、教育を受ける者が常時40人以上であることを満たした学校のこと。高等課程のほかに、高卒者対象の専門課程と学歴不問の一般課程がある。 ※2 学校教育法に基づいて、都道府県教育委員会が指定する技能教育施設のこと。通信制高校や定時制高校の生徒が、技能連携校で技能や実務に関する専門科目を学んだ場合、高校の履修の一部として単位が認められる。 ※3 全国高等専修学校協会会員校のうち86校からの回答を基にしたデータ(期間2022年9月1日~2023年1月14日)。

「文化・教養関係」を学ぶ生徒の増加が続く傾向に

文部科学省の「学校基本調査」によれば、2023年度の生徒数は前年から484人減少しました。分野別生徒数では、「商業実務関係」が最多となっています。「医療関係」の生徒数は昨年から1000人以上の減少となりました。「文化・教養関係」の生徒数は、近年増加が続いています。

一般的な高等専修学校の学科のシステム

教えて通信制高校 Q&A

「大阪技能専門学校(令和7年度に大阪技能高等専修学校に変更認可申請中)」は成功体験を通して手応えと自信をつけ、人間的に大きな成長ができることを教育理念にかかげ、自動車工業科と総合商業科を設置。多彩な実習室など、設備も充実しています。教頭の松長邦彦さんに聞きました。
  • どのような生徒が入学していますか? 開講している専門授業の内容に関心を持つ生徒はもちろんですが、近年では、勉強や人間関係などでさまざまな問題を抱え、通常の教室での学習が難しかったり、登校しにくかったりした生徒の入学が増えています。
  • 授業の特徴と学校生活のサポート体制は? 1クラス30人弱で、小学校でつまづきやすい単元から学び直すほか、「調べ学習」「グループ学習」を積極的に取り入れ、コミュニケーションを促すようにしています。担任制を採用しスクールソーシャルワーカーや特別支援教諭、特別支援コーディネーターらが常駐して、生徒をサポートします。
  • どのような技能が習得できますか? 高等専修学校では、多様な資格や技能の習得が可能です。当校では、自動車工業科で「危険物取扱者」の資格取得に向けた学習も。総合商業科では各コースに分かれて、情報やネイルなどの外部資格取得のほか、ドッグトリマー、ドッグトレーナー、ネイル、動画・画像編集など学びます。
  • 卒業後の進路は? 高等学校卒業のケースとかわりません。在籍期間3年で2590時間74単位を満たす当校でも、大学、専門学校などへの進学から、高卒求人での就職まで、ほかの高等学校の卒業生と同じように、進路を選択できます。
  • 入学試験の内容・時期は? 推薦入試・一次入試・調整入試行い、実施期間はそれぞれ異なります。推薦入試の試験科目は作文と面接で、緊張してしまう受験生に配慮し、自筆資料を持ち込み可に。一次入試と調整入試は国語と面接です。オープンスクール参加者は面接と入学金半額を免除しています
  • 学校選びで大切なことは? 偏差値や校風などの情報はインターネットで手に入ります。子どもたちが教員と関わり合いながら3年間の学校生活を送るので、子どもたちの教員の第一印象を重視し、保護者は案内係や担当者ではない教員の様子も確認することをお勧めします。