高等専修学校の仕組み

知っておきたい 高等専修学校の仕組み

「好き」を生かしたフィールドで
専門技術の習得を目指す

 高等専修学校(専修学校高等課程)も中学卒業後の進路の一つ。
多様化する生徒のニーズに応えるための後期中等教育機関として注目されています。
工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8分野で、実学を中心に学びます。

修業年限は1年以上 通学して専門分野を学ぶ
高校卒業資格・大学入学資格の取得も目指せる

1976年に、新たな学校制度としてつくられた専修学校(※1)のうち、高等専修学校(専修学校高等課程)は、中学校卒業者を対象にした高等課程を置いた学校を指します。仕事に結びつく実践的なカリキュラムが中心となり、修業年限は1年以上ですが、卒業後に大学への入学資格を得るためには、3年以上通学し、普通科目も420時間以上学ぶ必要があります(卒業までの総授業時間数は2590時間以上)。

また、多くの高等専修学校は、技能連携校(※2)として、通信制の高校と提携しています。高等専修学校での単位を高校での単位修得とみなす「技能連携制度」を利用し、高校卒業資格の取得を目指すこともできます。
入学には、各校が定める願書受付期間中に願書や必要書類を提出し、試験(1~3科目での学科試験。作文や面接のみというところもある)を受ける必要があり、合格すれば4月から学期がスタート。毎日通学し、それぞれの専門分野を学びます。入学式や中間・学期末試験などもあり、クラブ活動に力を入れている学校もあります。

医療や服飾、農業など多彩な8分野
不登校経験者のサポート体制も充実

専修学校は、8分野に分かれており、工業(情報処理、コンピューターグラフィックス、自動車整備など)、農業(農業、園芸、バイオテクノロジーなど)、医療(看護、歯科衛生、歯科技工、理学療法、あんま・マッサージ・指圧など)、衛生(調理師、製菓、美容、エステなど)、教育・社会福祉(保育、幼児教育、社会福祉など)、商業実務(経理・簿記、旅行・観光・ホテルなど)、服飾・家政(ファッションデザイン、スタイリストなど)、文化・教養(デザイン、音楽、外国語など)があります。

高等専修学校は、より実践的な教育を早いうちから習得したいという生徒だけでなく、小・中学校で不登校になったが、興味を持てる分野について学びたいという生徒の進学先として選ばれています。

全国高等専修学校協会の「2012年度高等専修学校における教育支援に関する実態調査」(※3)によれば、調査した在籍生徒1万8626人のうち、不登校の経験がある生徒は3303人と、全体の17.7%。そのため、講師やスタッフが、生徒一人一人をこまやかにサポートし、カウンセラーや養護教諭の資格を持つ専門家が常駐するなど、学校側の受け入れ体制も整ってきています。

※1 修業年限が1年以上、授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上である、教育を受ける者が常時40人以上であることを満たした学校のこと。
※2 学校教育法に基づいて、都道府県教育委員会が指定する技能教育施設のこと。通信制高校や定時制高校の生徒が、技能連携校で技能や実務に関する専門科目を学んだ場合、高校の履修の一部として単位が認められる。
※3 全国高等専修学校協会会員校200校にアンケート調査。118校からの回答を基にしたデータ(期間2012年7月18日~27日)。

半数以上が中学から入学 医療と文化・教養関係合わせて54.7%

 文部科学省の「学校基本調査」によると、2016年度に高等専修学校に入学したのは、1万6031人。うち、中学校卒業者および中等教育学校前期課程修了者は、8678人と半数以上を占めています。分野別では、昨年に引き続き医療関係、文化・教養関係が人気を集めています。

【 1 】 専修学校入学者数(高等課程)
1 専修学校入学者数(高等課程)
【 2 】 専修学校の分野別生徒数
    (2016年度・全生徒数656,649人)

2 専修学校の分野別生徒数

文部科学省「学校基本調査」より

一般的な高等専修学校の学科のシステム

一般的な高等専修高校の学科のシステム

教えてQ&A

 「東朋高等専修学校」では、基礎から学び直すことで自信を取り戻し、多彩な経験を通じて将来の目標を見つけることができます。教頭の中田博隆さんは、「安心できる居心地のいい学校」であり続けたいと、話します。

  • Q.どんな生徒が学んでいますか?2017年度の入学者は、普通科約150人(願書ベース)。9割が中学校卒業生で、うち半数が不登校経験者です。総合教育学科は約40人。発達障がいなどの理由で不登校になったものの、仲間と一緒に学びたいという生徒が、本校を選んでいます。
  • Q.入学試験や授業について一般入試では、基礎学力試験と面接を実施。ほとんどが推薦入試で入学します。普通科では、一般科目を午前中に効率よく学習し、午後からは、ネイル、陶芸、Webデザイン、各種資格取得など、それぞれの目標や希望に合った授業を選択します。
  • Q.普通科と総合教育学科の違いは?普通科は、高等専修学校の「専門科目」と高等学校の「一般科目」を同時に学習し、高校卒業資格が取得できます。総合教育学科は、1クラス10人までの少人数制で、身辺自立に重点をおいています。週に1度、両科が一緒に学ぶ授業があります。
  • Q.中学校での学習の遅れへの対応は?普通科は、数学なら一ケタの足し算から、英語ならアルファベットから始めます。テストの点数だけでなく、努力も高く評価し、成績に反映させています。総合教育学科は、少人数の習熟度別クラスで学び、基礎学力の強化を目指します。
  • Q.学校生活につまずいたときのサポートは?学習問題、友人関係、学校生活そのものに対する不安などに対して、教師による懇談や電話相談を実施しています。また、週に2回、カウンセラーが来校し、生徒だけでなく保護者からの相談にも対応しています。
  • Q.卒業後の進路は?普通科の場合、専門学校や大学への進学が4割、就職が4割。在学中に身につけた専門知識・技術や、資格を生かした進路選択が多いです。中でも、介護の現場で研修を受ける「介護初任者研修」の成果で介護職に就くケースも増えています。