「不登校でも高校受験はできる?」「不登校でも入学できる高校や方法が知りたい!」不登校で高校受験を控えている親御さんなら、誰しもが抱える不安でしょう。不登校でも高校受験を受けて進学できるチャンスはあります。正しい内申対策や受験勉強をしながら、焦らないで受験に向けて準備しましょう。本記事では、不登校の中3が高校受験前にするべき対策や、不登校枠について解説します。中3で高校受験を控えている方は参考にしてください。
焦らないでしっかりとした対策をすれば、不登校でも高校受験は受けられます。
ここでは不登校生が高校を受験するまでの流れを簡単に説明します。
まずは、不登校枠のある高校や不登校に理解がある高校を調べましょう。 調査書や内申点の扱いは 都道府県によって違うため、担任の先生に相談して調べてもらうのが効率的です。
受験準備の1つとして、メンタルケアや面接対策を進める必要があります。精神的に落ち込んだりして動けないお子さんの場合は、悩みに寄り添いしっかりと向き合いましょう。
学習面に関しては、人によって勉強スタイルも違うため、どうしたら良いか分からないという場合は、不登校専門のカウンセラーや支援センターに相談しましょう。
不登校が高校受験に与える影響は主に「欠席日数」「内申点」「学習面」の3つが挙げられます。ここでは、不登校が高校受験に与える影響について解説します。
公立高校では、年間の欠席日数が30日を超える生徒は、「審議の対象とする」と記載されています。審議の対象とするは、合格が難しくなるという意味に聞こえますが「必ず不合格になる」わけではありません。
ケガなどの事情によって登校できなかった場合は、調査書に特記事項として、中学校の先生が記入した一言で合格するケースもあります。欠席日数が気になる方は、通信制高校や 定時制高校など、中学校の時の成績や出席日数をほぼ審査しない公立高校がおすすめです。
内申点は、中学校の先生が作成する「生徒の学校生活の態度と成績を書いた文書」です。教科の成績を5段階で得点化した項目を「内申点」と言います。
内申点は高校入試の際に合否判定で使われます。内申点次第で合否が変わるケースもありますし、全ての都道府県で判定基準として使われているため、努力して内申点をあげておきましょう。
不登校による学習面の遅れは、高校受験で不利に働くこともあります。高校の授業内容は、中学の授業内容よりも高度です。学習面の遅れがあると、受験だけでなく、高校の授業についていけない可能性もあります。不登校によって起こる、学習面の影響は以下のとおりです。
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特に数学や英語などの科目では、積み重ねが重要となるため、欠席日数が多くなると大きな影響を受ける可能性があります。不登校によって集中力が低下したり、モチベーションが維持できなくなったりするケースもあるので注意しましょう。
不登校であっても、高校進学を諦める必要はありません。近年は、不登校生の受け入れに積極的な高校や、独自のサポート体制を備えた高校が増えています。
ここでは、不登校生が選べる主な高校の種類や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
全日制高校は、最も一般的な高校形態です。授業時間は午前9時から午後3時頃まで、5日間の登校が基本です。高校生活を通して、生活リズムの立て直しや、コミュニケーション能力の向上になるのがメリットに挙げられます。
一方で、毎日の登校や他者とのコミュニケーションが負担に感じる場合があります。
メリット | デメリット |
大学進学を目指すための充実した教育を受けられる | 毎日登校しなければいけない |
学校行事を通して友達との交流が楽しめる | 人と関わらないといけない |
通信制高校は、時間や場所に縛られずに学習できる高校です。週に1〜2日の登校は必要ですが、普段は自宅でオンライン教材を使って学習を進められます。自分のペースで学習ができて、毎日の登校ではない点も魅力です。
一方で、自分で決めた学習をやり遂げる力や計画性が必要です。スクーリングと呼ばれる対面授業に出席しないと大学受験が難しくなります。単位制の私立高校などは、公立校よりも学費が高額になるケースもあるので注意が必要です。自分の計画した学習スケジュールをやり切る気持ちがないと、卒業が難しくなるので、注意しましょう。
メリット | デメリット |
自分のペースで学習を進めやすい | 自分で学習を管理する必要があるため、自制心や計画性が求められる |
欠席日数や内申点が考慮されないため入学しやすい | 大学進学には、スクーリングと呼ばれる対面授業に出席する必要がある |
アルバイトや資格取得など、学業プライベートが両立しやすい | 学費が高額なケースがある |
定時制高校は、夜間に授業を行う高校なので、午前中に仕事やアルバイトができます。一般的には、午後17時頃から21時頃まで授業があり、アルバイトや家事と両立しながら高校に通いたい人や、昼間は体調が優れない人などに向いています。
一方で、夜間のため生活リズムが乱れやすいのがデメリットです。卒業までの期間が長いため、大学進学や就職が遅れる点も考慮する必要があります。
メリット | デメリット |
昼間に働いたり、家事をしながら高校に通える | 授業時間が夜間のため、生活リズムが乱れやすい |
欠席日数や内申点が全日制高校のように考慮されない | 大学進学には、全日制高校よりも時間がかかる |
全日制高校に比べて、少人数制でアットホームな雰囲気 | 毎日登校する必要がある |
不登校枠とは、不登校の生徒を対象とした特別な選考方法です。「枠」と呼ばれる特別な枠があるわけではなく、欠席日数や内申点に関する記録を考慮せずに合否を判断したり、面接を実施したりするなどの配慮がなされます。
不登校枠は、近年注目を集めている制度ですが、必ずしも全ての高校で設けられているわけではありません。設けられている場合でも、具体的な選考方法は高校によって異なります。
不登校枠以外にも、不登校の生徒が高校受験を成功させるための方法はたくさんあります。自分に合った方法を見つけて、高校受験を乗り越えましょう。
不登校の生徒を受け入れる高校は、近年増えています。しかし、自分に合った高校を見つけるのは簡単ではありません。
ここでは、不登校の生徒を受け入れる高校の探し方について解説します。
中学校の担任の先生は、生徒を1番よく知っている人です。不登校の生徒を受け入れる高校についての情報を持っている可能性があります。
担任の先生に相談する際は、以下の内容についても伝えましょう。
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担任の先生に相談して、少しでも子供にあった方法を見つけてもらいましょう。
塾の先生は、高校受験に関する情報を持っています。不登校の生徒の指導経験がある先生を選べば、具体的なアドバイスをしてくれる可能性もあります。
塾の先生に相談する際には、以下の点を伝えましょう。
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学習面の課題は人によって違うため、子供にあった学習内容で指導してもらう必要があります。子どもの強みと弱みを理解して、苦手科目をしっかりと教えてくれる先生に相談しましょう。
文部科学省や各都道府県の教育委員会には、不登校の生徒に関する相談窓口があります。相談窓口では、不登校の生徒を受け入れる高校に関する情報提供や、個別相談を行っています。
自分に合った高校を見つけるためには、相談窓口を活用して積極的に情報収集を行うことが大切です。
不登校に悩む親御さんは、厚生労働省の引きこもり相談窓口がおすすめです。親子だけで抱え込まず気軽に相談しましょう。
不登校の中3にとって、高校受験は大きな不安を抱えるイベントです。しかし、適切な対策をすれば、希望に合った高校に進学できる可能性は上がります。
ここでは、不登校の中3が高校受験前にするべき対策を、精神面、内申点、学習面の3つの視点から詳しくご紹介します。
不登校によって、不安やストレスを抱えている生徒は少なくありません。高校受験という大きな課題に直面すると、さらに気持ちが追い詰められてしまう可能性もあります。
精神面での対策としては、以下のような対策が必要です。
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カウンセリングや心理療法を受けるなどして、今抱えている不安や悩み事を明確にしましょう。自分の良い面に目を向けて、自己肯定感を高めながら、モチベーションを維持する必要もあります。
家族や先生に自分の状況を説明して、周囲の人々に協力をお願いするのも効果的です。悩みを明確にして、対策をすれば、精神的な安定を図り、受験への自信を高められます。
内申点は、高校受験における重要な選考基準の1つです。不登校によって欠席日数や授業出席率が低くなっている場合は、内申点を上げるための対策が必要です。
内申点を上げるためには、以下のような対策をしましょう。
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集中して学習できる時間を作る、わからない部分は先生に質問する、補習授業を受けるなど、今までの遅れた状態を取り戻す必要があります。内申点を上げるためには、学習努力だけでなく、出席日数や授業態度も重要です。
積極的に登校し、授業に参加していくなかで、内申点向上につながります。少しずつ自分のペースで良いので、勉強習慣をつけましょう。
高校受験では、中学校で習った内容に加えて、より高度な学力が必要とされます。不登校によって学習に遅れが出ている場合は、学習面での対策も必要です。
学習面での対策としては、以下のような対策が挙げられます。
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学習面での対策は、早めからしたほうが結果が出やすいです。自分の実力を把握し、苦手分野を克服するように努力すればテストの結果も上がります。高校受験までの期間を有効活用し、しっかりと準備を進めていきましょう。
不登校の生徒にとって、高校受験は多くの不安を抱えるイベントです。ここでは、不登校の高校受験に関するよくある疑問について解説します。
公立高校の場合、年間30日以上欠席している生徒は、高校受験に不利になる可能性が高いと言われています。ただし、欠席日数以外にも、内申点や学習状況、面接での印象などが総合的に判断されます。
欠席日数が多くても、その他の要素で良い評価を得られれば、合格できる可能性は十分にあります。
不登校でも公立高校を受験できます。近年は、不登校の生徒を受け入れる公立高校も増えているため、諦める必要はありません。
各都道府県では、不登校の生徒に対するサポート体制も整備されています。不登校でも公立高校を受験したい場合は、早めに情報収集を行い、自分に合った高校を見つける必要があります。
高校によって異なりますが、受験の際は以下の書類が必要となります。
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自己申告書には、不登校の理由や学習状況などを記入する必要があります。診断書は、病気や発達障害などの理由で欠席している場合に必要となります。
提出が必要な書類は、各高校によって異なるため、事前にチェックしましょう。
不登校中の受験勉強方法は、人によって違います。スクールカウンセラーや、担任の先生に相談して、自分に合った方法を見つけましょう。一般的な方法は以下のとおりです。
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自宅で学習できる環境を整えて学習習慣をつけるようにしましょう。学習方法に悩んだら以下の方法や相談がおすすめです。
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親御さんだけで、抱え込まずに専門家に相談して、悩みを解決していきましょう。
本記事では不登校の人でも高校受験を受けられる理由と具体的な対策について解説しました。不登校の中学3年生でも高校受験はできます。内申点を高めるための対策や、高校の探し方を参考に高校受験までに対策していきましょう。本記事を参考に将来の不安を解消して一歩踏み出しましょう。