通信制高校を受験する際、学校によっては出願時の書類や面接などで志望動機を求められることがあります。本記事では、通信制高校の志望動機の伝え方のコツを具体的な例文といあわせて解説!入試や面接で使える対策も紹介します。
通信制高校の入試は、全日制の高校と比較して入試体型が異なります。通信制高校の入試は学力試験よりは作文や面接などが一般的です。学力試験がない分、筆記対策の負担が軽減されやすくなりますが、願書の作成や面接対策、そして志望動機書の作成など、事前にしっかり準備する必要があります。
とくに面接においては、最初に志望動機を聞かれ、高校生活の抱負、中学生活で取り組んだこと、卒業後の進路や将来の夢というように質問されるので、しっかり受け答えができるよう練習しましょう。
通信制高校に願書を提出する際、どのように志望動機を書くべきなのか迷う方もいることでしょう。まずは、志望動機の書き方を教えます。
願書を書く前に、まずは志望校の情報収集をすることが大切です。「何となくよさそう」という理由で願書を作成しようとすると、志望動機の部分で苦戦しやすくなります。学校の特徴やカリキュラム、部活、行事など細かく情報を集めることで、通いたくなる理由が見つかりやすくなるでしょう。
もし志望校の具体的なイメージが掴みにくい場合は、学校説明会や授業体験会、行事などに足を運んでみるのがおすすめです。
願書を作成する際は、自己分析をすることも重要。自己分析とは、自分の長所や短所、得意なこと、不得意なこと、将来やりたい事など自分のことについて客観的に分析する作業のことです。スムーズにできればよいですが、「自分が何をやりたいのか分からない」「自分はどのような人間なのか分からない」と悩む方もいることでしょう。
自己分析を行うポイントとしては、固く考えずに自分の思ったことを整理することです。例えば長所を振り返る際、最初の内は「明るい人間」、「絵が得意」と簡単な内容でも問題ありません。
苦戦する場合は、ひとまず箇条書きで書きだしたり、友人や家族などからどのような人間なのか聞いてみたりするのもおすすめです。
【自己分析の具体例】
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志望校の情報収集と自己分析を終えた際、共通点を探しましょう。それぞれの情報をすり合わせていくことで、共通点が見つかるかもしれません。例えば自分が絵が得意だった場合、志望校のカリキュラムに芸術科目が含まれていたり、志望校の美術部が賞を取っていたりと共通の部分があれば志望動機として考えやすくなります。
願書を作成する際は、志望動機はポジティブに書きましょう。例えば「自分が得意な絵を磨けると思い志望しました。」というようにポジティブに書くことで、学校側の方も生徒の入学に対して前向きに考えやすくなります。
どうしてもネガティブに考えてしまう場合は、過去の失敗をもとにポジティブに書くのがおすすめです。例えば中学時代になかなか学校に通えず不登校だった場合「中学ではなかなか学校に通えませんでしたが、通信制の高校ではしっかり通い続けられるようにしたいです。」というように考えることで、志望動機はポジティブに書きやすくなります。
通信制高校の志望動機を書く際は、理由を具体的に伝えましょう。先ほどの情報収集と自己分析で通う理由が見つかった方は、そのまま書いても問題ありません。しかし中には、まだ志望理由が定まらない方もいることでしょう。
もし志望理由が決まらない場合は、ざっくりとした理由を箇条書きでまとめるのがおすすめです。以下のリストのように、通う理由を整理してから志望理由を書いてみてください。
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願書で志望動機を書く際、どのように文章を書くべきなのか迷走に陥る方もいることでしょう。ここからは、志望動機の具体的な例文を紹介します。
私がこの学校を志望した理由は、自分のやりたい事に挑戦できるからです。私は絵を描くのが得意で小学校や中学校などでも、何度か賞を受賞しました。しかしそれだけでは満足できず、もっと絵のスキルを磨きたいと考えています。高校では芸術のカリキュラムに力を入れていると聞いたので、自分のやりたい事に全力に取り組めると思い志望しました。入学後も絵のスキルを磨きつつ、勉学や部活などにも励んでいきたいです。
私は、小学校、中学校と陸上部で短距離に努めてきました。高校でも陸上に挑戦したいと思い、何度かこちらの高校の部活にも足を運びました。練習を通して感じたのは、競技に対する熱意が部員の皆様にあったことです。実際に大会で入賞している先輩がいることも聞いたので、自分の競技力を磨くにはぴったりの環境だと感じました。高校でも陸上に挑戦し、勉学に励みつつも自分のやりたいことに全力で取り組みたいです。
私が、自分にとって通いやすい学校と考えたからです。実は私は小学校と中学校は不登校気味で、周りのクラスに合わせるのが苦手でした。そのため休みがちだったことから、まともに通えなかったことを悔やんでいます。しかし「高校では自分のペースに合わせて通える」と聞いたので、自分に合った環境で学べると考えています。これまでしっかり通うことができなかったので、高校ではしっかりと勉学に努めていきたいです。もし学校生活に慣れてきたら、経験できなかった行事やイベントなどでも積極的に参加したいと考えています。
ここからは、面接官に志望動機を伝えるポイントを紹介します。以下のポイントを押さえて、自分の思いを素直に伝えましょう。
面接で志望動機を伝える際は、明るくポジティブに伝えましょう。明るい表情で面接に臨むことで、面接官も「人柄がよさそう」と考えやすくなります。
しかし人によっては、内気な性格ゆえに明るく接するのが苦痛に感じ下を向く方もいることでしょう。もしついつい下を向きがちであったり、全く目が合わせられない場合は、普段から目を合わせる練習をしたり、眉間に視線を移す練習をしたりというような手法がおすすめです。
徐々に顔を合わせられるようになれば、面接官に対して積極的に志望動機を伝えられるようになるでしょう。
志望動機を伝える際は、ありのままに正直に伝えましょう。人によっては「これを伝えたら面接に落とされるのでは?」と不安に感じ、オーバーに伝えたり、嘘を伝えてしまったりという方もいるかもしれません。しかし、ありのままを伝えないのはもったいないです。
面接官は生徒一人ひとりの素の人柄を知りたいと考えているので、自分を大きく見せる必要はありません。たとえ自分の強みが見つけられなかったとしても、過去の失敗を踏まえてポジティブに志望動機を伝えれば面接官の心にも響きます。入学に対する正直な思いを伝えましょう。
志望動機を伝える際は、将来の夢や目標などをアピールすることも重要です。しかし人によっては「将来の夢や目標がない」と悩んでいる方もいることでしょう。将来の夢が、なくても問題ありません。
「学校生活を通して自分が興味のあるものを見つけたい」「高校に通い無事に卒業したい」ということも立派な目標になるので、目指しているものがあれば積極的に伝えましょう。
通信高校の入試でよくある疑問をピックアップしてみました。これから通信高校の入試を受験するにあたって、不明な点があれば参考にしてみてください。
通信高校の入試当日の流れは以下です。面接でも志望動機を求められることがあるので、自宅でしっかり受け答えの練習をしておきましょう。
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志望動機を発表するタイミングは、願書の提出時や作文の作成の時、面接の3つです。このようなことから志望動機はよく聞かれる内容なので、事前にしっかり準備をしましょう。
入試当日の服装は、中学校の制服やジャケットを羽織ったカジュアルな服装や、清潔感のある私服などがおすすめです。面接の際は、服装マナーについてもしっかりチェックされため身だしなみには注意しなければなりません。
服が着崩れていたり、ズボンに穴が開いていたりと服装がだらしないと、面接官に悪い印象を与えてしまいます。面接官に好印象を与えるためにも、身だしなみと髪型はしっかり整えるよう意識しましょう。
本記事では、通信制高校の志望動機の伝え方のコツと例文について紹介しました。志望動機を作る際は、志望校の情報収集や自己分析をしっかり行った上で、自分のありのままを伝えることが重要です。自分の正直な思いを伝えて、志望校合格を勝ち取りましょう。