通信制高校の面接対策

公開日: 2022年6月7日 更新日: 2022年6月7日

 

通信制高校に入学や編入をしたいと考えた時、入試内容が気になるかと思います。ほとんどの通信制高校の入試は、応募書類の提出と面接がメインと言われていて、逆に学力を確認する試験はほとんどありません。これは通信制高校では、学力よりも面接が重視されているということになります。
ではなぜ、面接が重視されるのでしょうか?
今回は、通信制高校が面接を重視する理由や面接対策、抑えておくべきポイントについて解説いたします。 

通信制高校の入試は面接重視

通信制高校の入試は面接が重視されると言われています。
なぜ、面接が重視されるのか、その理由について解説いたします。

”多くの通信制高校が書類選考と面接を行う”

通信制高校の入試は面接重視と言われるように多くの学校が、書類選考と面接で合否判定を行います。
テストを実施している学校もありますが、その割合は高くないようです。この他に作文の提出を求める学校もあります。入試が書類選考と面接だけだと落ちる心配がなさそうと思うかもしれませんが、そう簡単ではありません。
落ちにくいのは確かですが、落ちない訳ではありません。

面接の結果、問題ありと判断された場合や、通信制高校にも定員があるので応募者数が定員を超えていれば不合格になることもあります。では、通信制高校の面接はどんなことを質問され、何を見られているのでしょうか。
次に面接内容について、ご説明します。 

”面接ではどんなことを見ているのか”

通信制高校の面接は応募者を落とすことが目的ではありません。
入学を希望する生徒がどんな人物なのか、ちゃんと勉強して卒業する意思があるか、素行に問題がないかを確認します。通信制高校を希望する生徒の中には人間関係で悩んだことがある・学力に自信がないなど様々な悩みを抱えていることがあります。学校側は面接を通じて生徒の人物像だけでなく、どのようなサポートが必要かを判断します。そのためにも面接は貴重な場です。

不登校の経験や学力に不安があるといったことは面接で話すと評価を下げてしまうのでは?と不安になるかもしれませんが素行不良などの問題がない限り、不合格になることはないので正直に話すことが合格に必要なことです。 

”よほど問題が無ければ面接は通過できる”

面接と聞くと「受け答えがしっかりできないと落とされる」と、心配するかもしれませんが、常識的な受け答えができれば落とされることはまずないと考えて間違いありません。緊張で大きな声が出なかったり、質問にすぐに答えられなくても面接は大人でも緊張するので心配は不要です。

面接通過が難しいのは、明らかに態度が悪い・受け答えが適当で真面目に面接を受けようとする姿勢が見られない・法律やルールに対して守る気持ちがない・いじめなど人を傷つける行為に罪悪感を持たないなど、明らかに通信制高校での集団生活に適していないと判断される場合です。受け答えが適当、態度が相当悪いなど明らかに問題がある場合でなければ落ちる心配はないでしょう。

面接でよく聞かれることや対策

ほとんど落ちる心配がないからと、面接対策をしない訳にはいきません。
よく聞かれる一般的な質問はどういったものか調べて対策を立てましょう。

”一般的な質問”

志望動機

全日制ではなく、なぜ通信制高校なのか?数多い通信制高校の中で、この学校である理由は何か。志望動機は必ず質問されます。その場で考えると言葉につまることがあるので事前に考えておきましょう。 

中学生活や高校で何をしたいか

中学校の時にがんばったことや高校に入学したら何をしたいか。などもよく聞かれる質問です。
これらも事前に答えを考えておき、転入の場合は今の学校を辞める・辞めたい理由も聞かれるので正直に答えましょう。

趣味や将来の夢、進路について

趣味や将来の夢、進路についてもよく質問されます。
夢の実現のために何をしているか・しようとしているかという姿勢が見られています。将来の夢が決まっていなければ、高校生活の中で探していくことを伝えるようにしましょう。 

”面接対策”

所要時間

面接時間は平均10分前後。短い場合は5分、長いと20分くらいかかることがあります。面接中は長く感じるかもしれませんが、おおよその時間が分かっていれば「少しの間だけ」と、気持ちに余裕が持てるかもしれません。

服装

在学中または退学した学校の制服、社会人の方はスーツ、私服でも問題ありません。
私服の場合、清潔感がある襟付きのシャツやジャケットで露出は少なめに。
髪型や色は派手に見えるのは控え、メイクはナチュラルにしましょう。

よくある質問への準備

前述したように面接での質問はある程度、予測できます。
質問されてから考えると、緊張で考えが上手くまとまらないことがよくあります。
ある程度、予測できる質問は事前に回答を考えておくようにしましょう。

”通信制高校のしくみを理解しておく”

ご紹介した通信制高校を選んだ志望動機や将来の夢といった質問以外に全日制高校とは異なる通信制高校の仕組みについて理解しているのか質問されることがあります。通信制高校は、全日制高校と違い単位制です。レポート提出と一定数のスクーリング(通学)、テストによって卒業に必要な単位の取得が認められ、学習方法は自宅学習が基本となるため、小中学校や全日制高校とも勉強法や通学頻度も大きく異なります。また、通信制高校は学年という概念は存在しません。

数で言えば、全日制高校の方が多い中でなぜ、通信制高校に入学する必要や理由があるのかを面接官にしっかり説明できるように、通信制高校の仕組みについても事前に知っておくようにしましょう。 

面接を受けるうえでのポイント

最後に面接を受ける際に気を付けるべきポイントについて、ご紹介いたします。

”嘘をついたり取り繕ったりせず正直に話すことが大事”

面接では優等生を演じる必要はありません。面接で嘘をついたり、気に入られるよう取り繕って合格しても入学後に自分が困ることになります。ご紹介したように通信制高校の面接は、生徒の人物像や勉強への意欲などが確認されます。そこで嘘をついてしまうと入学後に正直に話していれば得られたであろうサポートなどが得られずに自分で自分の首を締める結果になるかもしれません。

面接官が聞きたいのは模範解答ではなく、生徒の正直な気持ちや考えです。通信制高校は不登校を経験した生徒が多い学校も多く、様々な理由から学校に行くことができない生徒の受け皿になっていることが多いので、無理に気に入られようと嘘をつく必要はありません。将来の夢や、やりたいことが本当にできるのか不安だったり、人に話すのが恥ずかしいと思っても、学校側はあなたの夢を実現するために学校生活の中でどんなサポートができるのかを考えています。 初対面の面接官に自分の気持ちや考えを正直に話すのは恥ずかしいかもしれませんが、無理に取り繕ったりせず、質問には正直に答えましょう。

”受け答えの例”

質問の受け答えの例をご紹介します。例を参考に実際の面接では自分の言葉に置き換えて答えられるようにしましょう。

志望動機を教えてください

中学校では人間関係に悩み、集団行動が苦手に感じるようになりました。
毎日、通学する全日制高校に通うことができるか不安になり、自宅で勉強ができる通信制高校が自分に合っているのではないかと考え、志望しました。

これまでの学生生活について教えてください

本を読むことが好きで、学校の図書室にある本を沢山、読みました。最初は小説や物語を読むことが多かったのですが歴史や自然科学、芸術など色々なジャンルの本を読んでいくことで知識を学ぶ大切さを知ることができました。

高校でどんなことがしたいですか?

中学校では積極的に参加できなかった学校行事に積極的に参加するようにして、これまで読んだ本の中で興味を持ったことについて勉強し、それ以外のことも卒業までに沢山、勉強して楽しい学校生活を送りたいと考えています。 

卒業後は何をしたいですか?

将来、何をしたいかは決まっていませんが高校生活の中で将来、どんなことがしたいのかを見つけたいと考えています。やりたいことが見つかった時に困らないようしっかりと勉強をして、沢山の知識を身に付けたいと思います。

 

まとめ

面接は良い印象を残さないといけないと考えがちですが、通信制高校の面接では、そういった考えは持たず、正直に答えることが重要です。通信制高校の面接は落とすのが目的ではなく、生徒にどんなサポートができるのか確認することが目的です。学力に自信がない・人間関係の悩みから不登校になった。こういった悩みを持つ場合、初対面の面接官に話すのは難しいかもしれませんが、正直に話しましょう。

通信制高校は、あなたが無理なく学校生活を過ごし、高校を卒業するための様々なサポートを行ってくれます。どんな悩みを持ち、将来、どんなことをやりたいのか。そのために高校生活で何をしたいのかを面接官に正直に話すことが一番の面接対策です。