通信制高校について調べていると、サポート校という言葉を目にしたことはないでしょうか。予備校は聞いたことがあってもサポート校という言葉自体、通信制高校について調べて初めて知ったという方が多いかもしれません。通信制高校とサポート校はどのような関係性があって、どんなサポートをする、もしくは受けられる学校なのでしょうか。この記事では、通信制高校とサポート校の違いやサポート校のメリットなどをご紹介いたします。
サポート校と通信制高校の違い、サポート校の目的について解説いたします。
サポート校は「校」という言葉がついていますが「学校」ではありません。
学校とは学校教育法で定められた要件を満たし認可を受けたものが「学校」として認められます。
サポート校は塾のような存在です。塾に入学しても学校の卒業資格を取得できないのと同じで、サポート校にだけ入学しても高卒資格を取得することはできません。サポート校は通信制高校とセットで入学する必要があります。
では、なぜ、高卒資格を取得できないのにサポート校があるのかと言うと、通信制高校は自宅学習が基本で全日制高校のように先生が毎日、生徒の学習面や生活面をチェック・指導することはできません。学校に代わって、生徒の学習面や精神面のサポートをサポート校が行っています。
サポート校に通う場合、通信制高校の学費とは別に費用がかかります。サポート校にかかる費用は内容で変わりますが、年間20~90万円ほど必要になります。ちなみに通信制高校の学費は年間15~30万円ほどです。こちらも学校やカリキュラムで変わるため、入学を希望する学校の学費を事前に確認することをおすすめします。
通信制高校の学費は一定の条件を満たせば、国や自治体からの補助金を受けることができますが、サポート校の費用に補助金はありません。ご説明したようにサポート校は塾のような存在で、学校ではないので補助金の対象外となるためです。高校の学費と合算で年間どのくらいかかるのか確認した上で、サポート校の利用を検討しましょう。
サポート校は、スクーリング(通学)回数が少ない通信制高校に通う生徒の学習面・生活面などのサポートを行いますが、一番の目的は生徒が学力やその他の理由から卒業を諦めないようサポートし、高校を卒業させることです。
自宅学習が中心の通信制高校では、自主的に勉強することが求められます。しかし、自主的に勉強し続けるのは簡単ではありません。通信制高校は学年の概念がないので、留年の概念も存在しません。そうなると、気が抜けてしまう生徒もいるので3年間で卒業できず4年5年とかかってしまうことがあります。もちろん3年以上、かかって卒業しても問題ありませんが特別な理由がない限り、3年間で卒業できるようにサポートするのがサポート校の一番の目的です。
卒業を諦めないようサポートする以外に、サポート校を活用するメリットは何があるでしょうか。
通信制高校は、全日制高校のようにクラス全員が同じ授業を受けて、同じスピードで勉強が進んでいく訳ではありません。どの科目から勉強を進めていくか生徒自身が決めることができて、進捗も生徒によって違うので、生徒それぞれに合わせた学習計画の作成が必要になります。そのため、サポート校は生徒一人一人に合わせたサポートを行えるよう少人数制や担任制を採用しているところがほとんどです。
通信制高校では単位を取得するために勉強した科目についてレポートの作成・提出が必要です。レポート作成に慣れないうちは作成に時間がかかるので、レポートの作成サポートや進捗状況の確認・管理、提出書類に抜けはないかなど、サポート校の先生が細かくフォローをしてくれます。
通信制高校は不登校の経験がある心に傷を負った生徒がいることが多く、メンタル面のサポート体制が充実している学校があります。サポート校でも学校同様、不登校経験がある生徒が通いやすい・勉強しやすい環境が整えられています。先生が生徒の自宅で授業を行う訪問授業や、サポート校で授業を受ける時は生徒の負担にならない程度の通学回数に抑えるなど、無理なく勉強できるようにされています。
不安や心配事があれば、すぐに相談できるようカウンセラーが常駐しているサポート校もあり、学習面のサポートだけではなく、生徒が不安や心配事を抱えたまま過ごすことがないようにメンタル面も手厚いサポート体制が整っているサポート校もあります。
サポート校は、生徒が途中で勉強を諦めずに高校を卒業できるようサポートするのが目的ですが、ずっとモチベーションを保ち続けて勉強するのは難しいことです。学習意欲・卒業意欲を失わないようサポート校は個々の進捗に合わせた指導の他、苦手科目を克服できるよう指導するなど、モチベーションを下げずに学習していけるような工夫や指導を行っています。専門分野の知識・技術を学べるコースがあるサポート校もあります。
将来、やりたいこと・興味があることをプロの講師から学ぶことで、卒業後の目標ができれば勉強へのモチベーションの維持や向上にもなり、生徒が自分の可能性を広げるきっかけにもなります。このような点もサポート校のメリットと言えるでしょう。
最後に通信制高校へ行こうがご紹介するサポート校6校をご紹介します。
学研グループが運営する学研WILL学園は全国に7か所キャンパスがあり、各キャンパスの在籍生徒数は20~50名前後と少人数制を採用し、きめ細かい指導ができる体制が整っています。
生徒が自分に合った登校日数を選べる複数のコースや通学が困難な場合は毎週、教師が自宅で指導を行うコースも用意されています。不登校の経験がある生徒には失った自信を取り戻す教育を行い、これまで不登校の改善率90%という高い実績も学研WILL学園の特徴です。
https://chsevent.com/archives/schooldata/11994
大阪中央エミール高等学院は鹿島学園高等学校のサポート校です。1969年の創業から現在まで、プロの家庭教師を派遣し続けてきた実績とノウハウを活かして学習・生活・精神面の指導を行っています。
週1回の通学と自宅学習で高校卒業資格を目指し、スクーリング(通学)は茨城県の鹿島学園まで行かなくても大阪会場で可能です。不登校経験がある生徒への個別サポート・中学校の勉強を復習できるカリキュラムなど学力・メンタルケアにも強みを持っています。
https://chsevent.com/archives/schooldata/11997
家庭教師のトライから生まれたトライ式高等学院は、通学・在宅・オンラインの3つのコースが選択可能です。不登校経験があれば無理に通学せず、在宅コースで担任とカウンセラーが週1回以上、自宅を訪問し生徒の心に寄り添い解決の道を模索します。自信を持てるようになれば通学コースへ変更可能です。
通信制高校の大学進学率が18%と言われる中、トライ式高等学院は68.5%と、サポート校の進学率1位と心のケアだけでなく、進学にも強みを持ったサポート校です。
https://chsevent.com/archives/schooldata/12415
教育カウンセラーや通信制高校で教員の経験を積んだ職員らが運営する豊翔高等学院は「自立に立ち向かう生徒と自立を促す職員」を理想に掲げ、基礎学力とコミュニケーション能力の向上と生活改善を促し、自立した人間となるための教育に注力しています。決まった時間割は無く、生徒の要望に応えたカリキュラムを教員と一緒に考える自由な学習スタイルが豊翔高等学院の特徴です。卒業生の多くは進学しており、生徒の可能性を伸ばす丁寧な指導も魅力の1つです。
https://chsevent.com/archives/schooldata/12419
猪名川甲英高等学院<通信コース>は、山梨県認可の私立高校「駿台甲府高等学校通信制課程」のサポート校です。高校卒業に必要なレポート作成などのサポートだけでなく卒業後、社会に出る際に必要なスキルやコミュニケーション能力を体験学習や学校行事の中から養います。年数日、週1~2回など通学頻度を選べる2つのコースと芸能活動・スポーツに主軸を置いて高校卒業を目指す「スポーツ・芸能コース」と、生徒の可能性を広げるコースが用意されています。
https://chsevent.com/archives/schooldata/11992
西宮甲英高等学院<通信コース>も、山梨県認可の私立高校「駿台甲府高等学校通信制課程」のサポート校です。
高校卒業資格取得に必要な勉強の他に趣味やアルバイトに費やす時間を確保したカリキュラム。自分にできること・適している分野が何かを見つけられるよう専門学校や企業と連携した授業や、遠足やスキー合宿、修学旅行を通じて充実した学校生活を送れるだけでなく、人とのコミュニケーションの大切さを教えることにも注力しています。
https://chsevent.com/archives/schooldata/11990
計画的に学習できれば通信制高校にだけ入学して、サポート校への入学は必要ありません。しかし、最短3年間、1人で勉強をして卒業できると断言できる人はあまり多くないでしょう。サポート校は費用がかかりますが費用を気にした結果、通信制高校を卒業できなかったということになれば、費用を気にした意味がありません。学習面だけでなく精神面や生活面の指導が受けられるサポート校は、多くの生徒にとって高校卒業資格を取得するための支えとなってくれはずです。
通信制高校へ行こうが開催する合同個別相談会にはサポート校も参加しております。
サポート体制や指導方法について、詳しく知りたいとお考えの皆様のご参加をお待ちしております。