高校受験が間近になると、第一志望・第二志望と志望校を絞っていくことになりますが、その際に「全日制高校と通信制高校は、どちらも同じ高校だけど併願受検ができるのだろうか?」と疑問を持つことがあるかもしれません。併願受検ができれば、選択肢の幅を広げることができますが実際に併願受検は可能なのでしょうか?
この記事では、全日制高校と通信制高校で併願受検が可能かどうかに加え、高校受験に関する様々なことについて解説いたします。
通信制高校でも全日制高校と同じように併願受検が可能です。
その条件などを確認しましょう。
高校受験で併願という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、併願とは2校以上の高校を受験することをいいます。反対に1校だけ受験することを専願または単願といいます。併願受検する理由を簡単に言えば、滑り止めです。
模擬試験では問題なく合格していても、本番の試験では何が起きるか分かりません。もしも、専願で受験していて不合格になってしまうと、高校進学ができなくなり浪人することになります。
高校浪人を避けるために高校受験は併願が一般的です。ただし、私立の通信制高校を受験する際、推薦入試でも併願受検が可能な高校と認めていない高校があります。高校ごとの入試制度について、確認を怠らないようにしましょう。
全日制の公立高校を併願で受験する場合、もう1校も私立の同じ全日制高校と考えるかもしれませんが、私立の通信制高校を併願で受験することも可能です。 全日制と通信制は通学頻度や学習方法などが異なるだけで、高校卒業資格は全く同じもので差はありません。公立校同士の併願はできませんが、公立の全日制高校と私立の通信制高校。私立の全日制高校と私立の通信制高校という組み合わせでも併願受検が可能です。
ただし、こちらも各高校の入試制度次第で併願不可の可能性があります。
全ての高校で入試制度が共通している訳ではないので「この高校が大丈夫なら他も大丈夫だろう」と、思い込まずに必ず志望校の入試制度を確認して、直前になって慌てないように注意しましょう。
併願受験した両方の高校に合格したら、どちらの高校に入学するか決めなければいけません。
入学する高校を決めたら、入学手続きを行います。期日までに手続きを済まさないと、入学の意思なしと判断されて入学ができなくなってしまいます。
公立・私立ともに基本的に期日までに学費などの費用を振込み、入学手続きに必要な書類の提出が必要です。
生徒や保護者が記入する書類の他に住民票など、居住地の役所で発行手続きが必要な書類もあるので早めに準備を行いましょう。入学しない高校には入学辞退届を提出します。入学金が振込済みの場合、期日までに届を提出すると一部返金が基本で、まったく返金されない場合もあります。入学手続きの書類に明記されているので事前に確認をしましょう。
前期入試で全日制の公立高校を受験して不合格だったとしても、後期入試で同じ地域の公立の通信制高校を受験することは可能です。 ただし、後期入試は前期入試で定員割れを起こした場合に実施されるので、必ず実施される訳ではないこと。実施されても募集人数はそれほど多くない可能性があります。また、前期入試で不合格になってしまった受験生も受験するので、倍率が高くなることも予想されます。
学科試験を実施する場合もありますが、通信制高校の入試は公立・私立ともに作文と面接の2つであることが一般的です。入試に学科試験がないからと油断するのは危険です。考えや気持ちを言葉で表現する作文は慣れていないと書けないものです。決して甘く見ないで作文の対策も行いましょう。
全日制の公立高校と併願受検する際は、以下の3つについて注意しましょう。
全日制高校の入試が学科試験と面接の2つであるのに対し、通信制高校の入試は作文と面接で合否が判定されます。これは、通信制高校の入試は受験生を落とすのではなく、受け入れることを前提に入学する意思と志望動機の確認を目的としているためです。
通信制高校は人間関係や病気など様々な悩みを抱えた生徒や高校を中退したけど、改めて勉強したい・高校卒業資格を取得したい人の受け皿としての役割もあります。学力を合否の判断基準にしてしまうと、これらの人が不利になるため、志望動機や高校を卒業する意思を重視しています。作文の内容と面接で話した内容に矛盾があれば、面接官に指摘されます。入試内容の確認と入試対策は怠らないようにしましょう。
第一志望が全日制高校で、その高校に合格したのであれば基本的にそちらに入学しましょう。
併願で受験した通信制高校に魅力を感じたなら話は別ですが、通信制高校は全日制高校に落ちた受験生の救済として存在しているのではありません。通信制高校は過去に人間関係で悩みを持った人、高校に進学せず社会人として働いている人、スポーツや芸能など学業以外に専念したいことがある人など、理由は様々ですがそれぞれが重視していることと学業を両立して卒業を目指す高校です。
全日制高校に未練があったり、通学頻度が少ないから楽という考えで入学しても通信制高校の学習は自主性が必要なので最悪の場合、卒業できない可能性があります。全日制高校が第一志望で合格したのであれば、そちらに入学しましょう。
私立の通信制高校を推薦で受験する場合、専願と併願の2つがあります。どちらも最初にご説明しましたが、専願は第一志望の高校1校しか受験しないことを意味します。1校しか受験していないので合格すれば、その高校に入学することになります。
確実に入学が見込める専願受験の生徒は優遇される場合があり、併願受験よりも合格率が高くなりやすいと言われています。その高校が第一志望で合格が確約されていて、試験を欠席でもしない限り不合格になる可能性がないなら、専願がおすすめです。専願にすることで優遇処置を受けられるのであれば、専願で受験することをおすすめします。推薦でも併願が認められる場合もありますが、繰り返しになりますが入試制度は各学校で異なるので、必ず確認をしましょう。
最後に通信制高校を受験する際に準備すべきものを説明します。
受験するには出願書類の提出が必要です。出願書類は色々あり、受験生が用意するものと出身校に頼んで用意してもらうものがあります。願書は受験生本人と保護者が必要事項を記入し、学校によっては、これらの書類とともに入試試験の作文の提出を求められることがあります。
他に出身校に用意してもらう書類として、出身校在学中の成績や出欠状況が記載された調査書。この他に在学証明書と、推薦入試の場合は出身中学の校長か担任が作成した推薦書も必要です。これらの出身校が作成する書類は受験生が見ることができないよう封がされており、通信制高校に提出前に開封してしまうと証明書としての効力がなくなるので、書類の取り扱いには注意しましょう。
ご説明したように通信制高校の入試は学力ではなく、作文と面接がメインで学科試験を実施している高校は少ないので難しいとは言えませんが、作文や面接などで自分の考えを言葉や文字にして相手に伝えるのは学科試験とは別の難しさがあります。
自分の考えや気持ちが面接官に伝わるように前もって考えを整理しておきましょう。
どの高校にも当てはまるような理由だと面接官に「他の高校でも良いのでは?」と思われるかもしれません。
なぜ、その高校でなければいけないのか高校のホームページや資料などを参考に自分なりの考えをまとめ、作文と面接の内容が矛盾しないよう一貫性がある面接官が納得するような志望動機を考えましょう。
通信制高校と全日制高校は制度が違うだけで高校卒業資格は同じです。そのため、併願受検も可能ですが、通信制・全日制それぞれ入試内容が異なるので、どちらの入試にも対応できるよう対策を怠らないようにしましょう。また、入試制度が高校ごとに異なるので志望校で併願受検が可能なのかについても、必ず確認をしましょう。全日制高校が第一志望でも、併願受検する通信制高校について調べるうちに全日制高校にはない通信制高校の魅力に気付くことがあります。
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