数の上では全日制高校に入学する人が圧倒的に多いものの、以前と比べると、高校進学の選択肢の1つとして通信制高校を選ぶ人が増えています。ほとんどの人が全日制高校を進学先として選ぶため、通信制高校に通っている生徒はどんな人がいるのかイメージしにくいかもしれません。
そこで、今回は通信制高校に通っている生徒について、ご紹介いたします。通信制高校の生徒はどんな理由・目的で通信制高校を選んだのか、確認していきましょう。
通信制高校の生徒はどんな人がいるのか。見てみましょう。
通信制高校の中には専門分野に特化したコースがある学校があります。
例を挙げると芸能・ダンス・最近ではeスポーツなど全日制高校では部活や同好会はあっても学ぶ機会がないこれらの分野について専門の講師から学ぶことができます。高校卒業後に専門学校などに通って学ぶこともできますが、通信制高校なら高校卒業資格取得の学習と夢を実現するために必要な知識や技術も学べるので「時短」が可能になり、夢への近道をすることが可能になります。
上記の分野以外に美容やファッション、医療系の専門コースを設けている学校もあります。
一般的にこれらの専門知識は大学・短大・専門学校で学びますが、これらの分野の知識と技術を高校生の間に身に付けることができれば就活で有利になる・就職後、早い段階で実践経験を積むことができるので、活躍できる可能性が高まります。
早くから専門知識を身に付けたい人も、将来の夢がはっきりしている人と同様に「時短」が可能になるメリットがあります。
通信制高校には全日制高校を中退して編入した人が珍しくありません。
体調不良・勉強についていけない・出席日数不足と中退理由は他にも様々ですが、単位制の通信制高校に編入した場合、それまで通っていた高校で修得した単位を継ぎ次ぐことが可能なので修得した教科・科目を学習し直す必要がありません。
以前の高校と通信制高校で合計3年以上在籍するなど条件がありますが、通信制高校だと早く卒業しやすいため全日制高校から編入した人も多く通っています。
通信制高校は自分のペースで勉強をすることができます。
全日制高校は登校時間・時間割も全て決められていて生徒はそれに従って学習します。
対して、通信制高校は勉強を始める時間やどの教科・科目を勉強するか自分で決めることができます。
3年間で卒業するには自己管理能力が必要不可欠ですが、周りに合わせて焦ることもペースを落とす必要もないので、自分のペースで無理なく勉強したい人に通信制高校は最適な学校と言えます。
通信制高校には小中学校や以前、在籍していた高校で不登校になった経験がある生徒も多く在籍しています。通信制高校の多くは通学頻度を選べるので、通学が卒業のネックになりにくいというメリットがあります。
学習面では、個別指導や少人数制によって学力に合わせたサポートをし、スクールカウンセラーが心理面のサポートを行います。
これら学習・心理両面の手厚いサポートによって、生徒の負担を抑えて卒業を目指すことが可能です。
集団で授業を受けることが難しい発達障害や午前中の活動が難しい起立性調節障害がある人も通信制高校に多く在籍しています。
通信制高校は通学頻度が選べて個別指導や少人数制、授業が午後から行われるなど授業スタイルが全日制高校よりも自由度が高く、勉強は自宅学習が基本なので通学の負担を抑えて勉強することができます。
無理に人に合わせて症状が悪化する可能性を抑えて高校卒業が可能なので、これらの問題を抱えている人も安心して通うことができます。
様々なタイプの生徒が通う通信制高校ですが、どんなメリットがあるでしょうか。
ご説明したように通信制高校には様々な問題を抱えた生徒が在籍しています。
人間関係などの悩みから、心のケアが必要な生徒にはスクールカウンセラーが悩みを解決・解消できるよう寄り添い、集団行動が苦手な生徒には個別指導や少人数制クラスなど、その生徒が勉強に集中することができる環境を作れるよう人員配置や体制が整えられている学校が多く、手厚いサポートを受けられるのが通信制高校の1つ目のメリットです。
2つ目のメリットは、学習時間を自分の都合に合わせることができる点です。
朝から勉強するのは気が乗らないという理由でも、勉強以外に専念したいことに日中の大半の時間を費やして、全日制高校なら閉まっている時間帯である夜から勉強するという時間の使い方が可能です。
3年間で卒業するには自己管理能力が必要ですが、勉強以外に専念したいことがあると勉強時間を自由に決められるのは大きなメリットとなるでしょう。
通信制高校の校則は全日制高校と比べると、あまり厳しくありません。
その理由は、生徒の自主性を重んじていることと社会人として働きながら通っている生徒もいるため、校則が厳しいと入学自体できなくなるなどの問題が生じるためです。
校則がなければ何をしてもいい訳ではなく、ある程度の節度を持つことが重要ですが、髪型や髪色、服装について注意を受けることはほぼないため、型にはまらずに自分自身を表現することができるのが3つ目のメリットです。
全日制高校は学年制が採用されているのが一般的で、学年ごとに修得する単位が決められ、出席日数不足やテストなどの成績が基準を満たさず単位を1つでも落とすと翌年、同じ学年をやり直す留年になります。
それに対して、通信制高校は単位制を採用している学校がほとんどです。
卒業には3年以上の在籍と74単位の修得が必要で、最終的にこの単位を修得できれば卒業できるため、留年という概念はなく、そもそも学年という概念自体、存在しません。
通信制高校では、ゲームやイラスト、音楽、eスポーツなどスポーツなど自分の好きなことや趣味を専門の講師から本格的に学ぶことができます。
ゲーム・イラスト・音楽・スポーツなどは趣味で終える人がほとんどですが、仕事として活躍されている方は少なくありません。自分自身の可能性を高める・将来の選択肢を広げるという意味でも、趣味で終えることが多いこれらの分野を講師から本格的に学ぶ機会が得られるのは通信制高校ならではのメリットです。
近年、通信制高校の生徒は増加傾向にあります。
その理由には何が挙げられるでしょうか。
文科省の「学校基本調査」によると令和元年現在、通信制高校の生徒数は197,696人。平成12年から27年まで18万人台だったのが10%ほど増加しています。公立の通信制高校の生徒は減少傾向が続いているのに私立の生徒数が増え、平成12年に74,023人だった私立の生徒数は令和元年には141,323人と増加しています。
生徒数増加の理由は、通信制高校が不登校や発達障害に理解があることが挙げられます。全日制高校は集団行動が求められますが、通信制高校は様々な悩みを持つ生徒が在籍していることが多く、スクールカウンセラーによるケアなど手厚いサポート体制や自宅で学習できるなど生徒それぞれが無理なく学習できる環境があります。
この他に芸能やスポーツなど自分がやりたいことに専念できる・専門分野について学べるコースがあるなど、全日制高校ではできないことが通信制高校ではできる場合もあり、これらも生徒数増加の理由として考えられます。
https://www.mext.go.jp/content/20200115-mxt_koukou01-000004175_5.pdf
学校基本調査によると令和元年現在、通信制高校に通う生徒は全日制・通信制・定時制全ての生徒数のうち6%に過ぎませんが年々、生徒数は増加しています。ご紹介したように不登校や発達障害に理解がある・専門分野を学べるコースがあるなど全日制高校にはないサポート体制や魅力がある学校が増えている、それに気付いた人が増えているのも理由かもしれません。
通信制高校にはどんな学校があるのか、もっと詳しく知りたいと興味をお持ちになりましたら、ぜひ合同個別相談会に足をお運びください。それぞれの学校の特徴・魅力を確認していただき、自分やお子さんに合う学校選びの参考にしていただければ幸いです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。