公立通信制高校の特徴と学費を解説|私立との違いも紹介

公開日: 2025年5月27日 更新日: 2025年5月27日

通信制高校を選ぶ際に「公立と私立高校の違いがわからない」という方もいるでしょう。本記事では、公立通信制高校と私立通信制高校の違いについて詳しく解説します。学費の比較や特徴に加え、卒業後の進路に関する情報もまとめています。さらに、学費支援制度や無償化の活用方法も紹介しているので、通信制高校を選ぶ際の参考にしてください。

公立と私立の通信制高校の学費比較

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公立と私立の通信制高校では、学費に大きな差があります。公立の通信制高校は国や地方自治体からの支援を受けており、学費は比較的安く抑えられています。

一方、私立の通信制高校は、国からの補助が少ないため、学費が高くなりやすい傾向です。

公立と私立の勉強方法や学習体制の比較

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通信制高校を選ぶ際は、公立と私立の学習体制や勉強方法の違いを理解して選びましょう。

ここでは、公立と私立の特徴を比較し、具体的な学習環境の違いを説明します。

公立通信制高校

公立の通信制高校の学習は、基本的に自主学習が中心で、定期的に実施されるスクーリング(対面授業)に参加する必要があります。生徒は教科書や指定教材を使い、自分のペースで勉強を進め、レポートを提出して単位を取得します。

公立通信制高校は通学の頻度が少なく、自分のペースで学べますが、ほかの生徒との交流が少ないため、自主性が求められます。

私立通信制高校

私立の通信制高校は、公立に比べて柔軟な学習カリキュラムを提供しており、学校ごとに特色ある教育プログラムを展開しています。

オンライン授業や個別指導が充実している学校も多く、生徒一人ひとりに合わせたサポートが行き届いているのも特徴です。また、専門分野に特化したコースのある学校もあり、将来の進路に直結する学びを深められるでしょう。

学費は公立に比べて高めですが、その分、学習サポートや設備が充実しているため、学習に取り組みやすい環境が整っています。

公立と私立の通信制高校の精神面のサポートの比較

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通信制高校を選ぶ際には、学習環境だけでなく、精神面でのサポート体制も大切です。公立高校と私立高校では、サポートの内容や提供方法が異なるため、それぞれの強みを理解しましょう。

ここでは、公立と私立の通信制高校が提供する精神面のサポートについて、説明していきます。

公立通信制高校

公立の通信制高校では、精神面のサポートは、定期的なスクーリングや面談を通じておこなわれます。地方自治体が運営しているため、カウンセラーやサポートスタッフが配置されている場合もありますが、その体制は学校によって異なります。

また、他の生徒や先生との接触が少ないため、孤独を感じやすい点が公立の課題の1つです。しかし、公立通信制高校は自主性が養われる場でもあるため、自ら行動し精神面でのケアを探す力が身に付きやすい環境ともいえるでしょう。

私立通信制高校

私立の通信制高校では、精神面でのサポートが手厚く、カウンセラーや専門スタッフが常にサポートできる体制が整っています。多くの私立通信制高校では、オンラインカウンセリングやグループセッション、定期的な個別面談を通じて、学生一人ひとりに合わせたケアが提供されます。

また、心のケアに特化したプログラムを用意している学校もあり、学業や生活に不安を抱える生徒にも柔軟に対応できるのが特徴です。

学費支援制度と無償化の活用方法

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公立の通信制高校では、高等学校等就学支援金制度を利用すると、世帯の所得に応じて授業料が無償化される場合があります。高等学校等就学支援金制度とは、授業料の負担を軽減するために国が提供する支援制度です。

対象は全日制、定時制、通信制の高校や特定の専修学校の生徒で、世帯年収が約910万円未満の家庭が利用できます。また、東京都大阪府では、国の制度に上乗せして独自の補助金が提供される地域もあります。

詳細は各地方自治体の情報を確認してみてください。

公立通信制高校の卒業後の進路|進学と就職の実態

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公立通信制高校を卒業した後の進路として、進学と就職の二つの選択肢があります。それぞれの生徒が自身の目標に合わせて進路を選びますが、どちらの道に進むにしても早めの計画と準備が大切です。

ここでは、公立通信制高校の卒業生に見られる進学率や就職状況について解説します。

公立通信制高校の進学率と主な進学先

公立通信制高校の卒業生の中には、大学や専門学校への進学を目指す人も多くいます。ただし、全日制高校と比較すると進学率はやや低い傾向があります。

出典:「学校基本調査」(文部科学省) (https://www.mext.go.jp/content/20210226-mxt_koukou01-000013082_04.pdf) (2024年9月25日に利用)
※文部科学省の調査資料のうち令和元年度の通信制課程の卒業後の状況です。

特に、専門学校や短期大学への進学者が多いのが特徴です。通信制高校のカリキュラムは生徒自身のペースで学習できるため、受験に向けた勉強時間をしっかりと確保できる点が強みです。

近年では、一般の大学に進学する生徒も増えており、通信制高校からでも学習意欲があれば多様な進路を開拓することが可能です。

就職事情と卒業後のキャリア形成

公立通信制高校を卒業後、すぐに就職を選ぶ生徒も多くいます。主な就職先は飲食業やサービス業など、比較的採用のハードルが低い業界が中心ですが、資格取得や専門技術を身につけることで、専門職に就く生徒もいます。

通信制高校では時間の融通が効くため、在学中にアルバイトやインターンシップで実務経験を積むことができる点が強みです。将来のキャリア形成においては、在学中から資格取得や職業体験を積極的に活用すれば、スムーズな就職につながるでしょう。

公立と私立の通信制高校の違いを理解して自分にあった学校を選ぼう

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本記事では、公立と私立の通信制高校の違いや学費について解説しました。公立通信制高校は学費が比較的安く、学費支援制度を利用すれば負担軽減もできます。私立通信制高校は多様なカリキュラムと手厚いサポートが魅力ですが、学費は高め。卒業率や進学、就職の状況を踏まえて、自分の目標や学習スタイルに合った選択が大切です。学費だけでなく、将来の進路やサポート体制を含めて、自分にとって最適な通信制高校を選びましょう。