中学生の子どもがいる保護者の中には、不登校や引きこもりを理由にフリースクールへの入学を考えている方もいることでしょう。フリースクールによっては中等部向けの支援システムが構築されており十分な学習サポートや生活面での支援を受けることが可能です。本記事では、フリースクールの中等部の特徴を紹介します。施設のメリットや選び方も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
フリースクールとは、不登校やひきこもりの子どもに対し学習や教育、体験などの活動を支援してくれる民間施設のことです。全国で約474(※)の団体や施設があり、スタッフが子どもの性格や生活スタイル、学力などに合わせて支援してくれます。
いじめや学校環境でのストレス、家庭環境の問題など何らかの理由で学校に通えなくなった子どもにとっては救いの場所といえるでしょう。基本的に入学資格は設けられていないため、年代に限らず誰でも入ることが可能です。
最近では、中学生を受け入れるために中等部を設置している通信制高校やサポート校があります。これらは基本的にフリースクールとして扱われており、在籍中学の校長の承認を得ることで中等部に通いながらも中学校の卒業資格を取得することが可能です。
※”文部科学省 公式HP”参照
フリースクールの同じ形態としてサポート校が挙げられます。サポート校とは、通信制高校に通う生徒の学習やメンタル面を支援する民間施設です。
専任の講師が具体的な学習計画を練った上で通信制高校での卒業資格が取得できるよう学習サポートを行ってくれます。身近な例を挙げると、予備校や塾などをイメージすると分かりやすいでしょう。
しかし先ほども紹介した通りサポート校の中には、フリースクールとして扱われている施設もあります。中学生に特化したコースもあるので、子どもの学びを深めたい方は、通信制中学も念頭に置くとよいでしょう。
中等部のフリースクールは、いじめや学校環境のストレスなどの要因がきっかけで学校に通えなくなった子どもに憩いの場所を与えてくれます。そのため、学校に居場所がなくなった子どもにとっては居心地のよさが実感できるでしょう。
フリースクールは、具体的な学習プログラムやカリキュラムなどは決められていないのがほとんどです。
学習はもちろんのこと、趣味のスポーツやゲーム、読書、職業体験など、自分の好きなことができます。学校では窮屈に感じていた生徒でも、フリースクールであればのびのび活動に没頭できるかもしれません。
フリースクールの魅力は、他の生徒との交流が深められるところです。
生徒の多くは、いじめや不登校など同じ悩みを抱えているので、同じ境遇にあることからお互いに辛かった気持ちを共感しあい自然と距離が縮まりやすくなるでしょう。共通の趣味や話題があれば、新しい友達ができるかもしれません。
また、いろいろな年代の生徒と交流が深められるのも魅力です。フリースクールによっては小学生から高校生にかけて年齢層がバラバラになっているところもあり、歳の違った友達ができます。
学校だと同い年の生徒と関係を作ることがほとんどなので、貴重な体験となるでしょう。
フリースクールによっては、運動会やレジャー、旅行、就業体験などのさまざまなイベントが展開されています。異なる年齢層の子どもとも交流が深められるため、社会の接点の場として活用できるでしょう。イベントの参加は自由なので、学校のように参加義務の必要性がありません。
フリースクールでは、手厚い学習サポートが受けられます。施設によってはプロの講師が在籍しており、一人ひとりに合わせたカリキュラムで学習のフォローを受けることが可能です。
たとえ勉強が遅れていたとしても生徒のペースに合わせて指導してくれるので、無理なく学習が進められます。対面型での学習サポートはもちろんのこと、オンラインを使った通信学習も可能です。
自宅から出られない生徒でも、手厚い学習支援が期待できるでしょう。
フリースクールによっては、学校に通っていなくても出席扱いとなるケースがあります。施設によっては在籍校と連携しており、通学しなくても指定の学習カリキュラムが受けられれば出席点をもらうことが可能です。
ただし、フリースクールへの通学を出席扱いとするかどうかは、在籍校の校長先生の判断によります。もし出席の有無について気になる方は、事前にフリースクールに聞いてみてください。
フリースクールの通学のメリットは、復学のきっかけにつながりやすいところです。
例えば朝起きるのが辛くて学校に通えなかった生徒でも、決まった時間に起きてフリースクールに通う習慣を繰り返すことで規則正しい生活を取り戻しやすくなります。
その他にもフリースクールで交流関係を深めることで学校でのクラスにも馴染みやすくなったり、自習の習慣を身に着けることで学校の授業にも付いていきやすくなったりと、学校に通えるようになるチャンスは掴みやすいです。
フリースクールは各地域に多くあるため、選び方で苦労する方もいるでしょう。もしフリースクールの中等部の選び方で苦戦している場合は、以下のポイントを押さえるのがコツです。
フリースクールといっても、仕組みやカリキュラムは異なります。学習に特化した施設や居場所を重視した施設などバリエーションは豊富です。そのため、どのようなフリースクールなのか事前に調べる必要があります。
気になる中等部向けのフリースクールがあれば、公式サイトでチェックしましょう。より詳細に情報を知りたい場合は、資料請求や無料相談などがおすすめです。
気になるフリースクールを見つけたものの、公式サイトや資料などでは細かい情報を得るのは難しい部分があるでしょう。具体的な施設の特徴を知りたい場合は、1度スタッフと面談を受けてみるのがおすすめです。
面談をすることで、公式サイトには記載されていない細かい情報が知れます。また保護者や子どもが抱える悩みや問題などに耳を傾けた上で施設に合っているかどうか教えてくれるので、入学するべきか判断しやすくなるでしょう。
施設の雰囲気やカリキュラム、スタッフの取り組み方など気になる点があれば積極的に質問してみてください。
フリースクールは民間が運営する施設となるため、入学金や授業料などの費用が発生します。
文部科学省の調査によるとフリースクールにかかる費用は、月に平均約33,000円(※1)です。施設によっては平均よりも費用が高くなる場合もあるので、それぞれの施設の相場を比較した上で選ばなければなりません。
しかし、地方自治体によってはフリースクールに対し補助金制度を設けているところもあります。例えば大阪市の場合は、大阪市市民活動推進助成事業の一環として約100万円の補助金による支援が行われました。(※2)
不登校児童に対する支援も実施されているため、不登校で悩んでいる方にとっては魅力的なサポートといえるでしょう。
このように自治体によっては、フリースクールを利用する方の支援も行っているので、住んでいる地域の補助金制度もチェックしてみてください。
※1”文部科学省 公式HP”参照
※2“大阪市 公式HP”参照
実際にフリースクールに通い続けられるかどうか、不安に感じている保護者は多いことでしょう。もしフリースクールの利用に不安がある場合は、無料体験授業を受けてみるのがおすすめです。
実際にフリースクールで体験授業を受けることで、居心地のよい環境かどうか確かめられます。1日限定の体験授業はもちろんのこと、短期間の体験授業も設けられているところもありおすすめです。
もし体験授業が受けられない場合は、見学や説明会などに足を運んでみてください。
本記事では、フリースクールの中等部の特徴を紹介しました。フリースクールは、具体的な学習プログラムやカリキュラムなどは決められていないため、学校の勉強や資格取得、ゲーム、読書など自分の好きなことができます。
何らかの理由で学校に通えず殻に閉じこもるようになった子どもでも、スタッフや友達との交流を通して前を向けるようになるかもしれません。気になるフリースクールがあれば、ぜひチェックしてみてください。