通信制高校への進学を考えていると、併せて検討するものとしてよく挙げられるのがサポート校。本記事では、似ているようで異なる通信制高校とサポート校の違いを、3つの観点から徹底解説します。違いをふまえて、通信制高校と一緒にサポート校に通うメリットも紹介。
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通信制高校とは、オンラインや郵送などの通信教育で学ぶ高校を指します。
自宅をはじめとする自由な場所で、自分のペースで学べるのが特徴です。
全日制高校のように毎日通学はせず、各校やコースの定めるペースでスクーリング(面接指導)に通います。スクーリングは週1回程度のところもあれば、年に数回という学校もあり、登校の頻度はさまざま。
通信制高校の多くは単位制で、課題やテスト、スクーリングで単位を取得し、高校卒業を目指します。
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サポート校とは、通信制高校に通う学生がよりスムーズに卒業を目指せるよう、支援を行う教育施設。サポート校単体ではなく、通信制高校と同時に通うのが基本です。
サポート校では、学習計画の相談や課題・レポートの支援など、学習面でのフォローが受けられます。また、カウンセリングといった精神面での支援や、進学サポートを受けられるのもポイント。
また、サポート校に入学すると登校の頻度が高まるので、友達を作ったり先生やカウンセラーに直接相談できたり、コミュニケーションの機会も増えます。
違い1:高校卒業資格を取得できるかどうか出典:PIXTA
サポート校と通信制高校との最も大きな違いは、高校卒業資格を取得できるか否かです。
通信制高校は、学校教育法によって正式に高等学校として認められています。なので、レポートやスクーリングを通して必要な単位を取得すれば、高校卒業資格を取得可能です。
一方でサポート校は、同法で高等学校とは正式に認められておらず、あくまで民間の教育機関という位置づけ。そのため、高校卒業資格を取得できません。
高校卒業資格を取得したい場合はサポート校だけでなく、並行して通う通信制高校も卒業する必要があります。
違い2:学校の運営元出典:PIXTA
通信制高校とサポート校は、学校の運営元にも違いがあります。
通信制高校の場合、公立は都道府県や市町村などの地方自治体が、私立だと多くは学校法人が運営しています。
サポート校には、公立と私立といった区分はありません。私立の通信制高校を運営している学校法人や、塾・予備校などを経営する民間法人など、運営元はさまざまです。
運営元の違いによって学費や校風、コースの特色などに違いが生まれるので、気になる方は事前に運営元を調べておくとよいでしょう。
違い3:学費出典:PIXTA
進学するにあたって気になる学費。通信制高校とサポート校では、通信制高校の方が費用は少なく済みます。
通信制高校は、1単位あたりで学費が設定されている場合が多く、必要単位によって総額は変動します。また、要件を満たせば「高等学校等就学支援金制度」が適用され、費用を抑えながらの通学も可能です。
一方サポート校に通う場合は、通信制高校の学費にプラスして、サポート校の学費も支払うことになります。そして、サポート校の学費には「高等学校等就学支援金制度」が適用されません。
きめ細やかな支援を受けられる代わりに費用はプラスになるため、サポート校にも行くべきかどうか、じっくり考えるのがよいでしょう。
サポート校に通うメリット出典:PIXTA
通信制高校とサポート校の特徴や違いを紹介してきましたが、サポート校に通う大きなメリットとは何なのでしょうか。
大きく分けると、以下のようなメリットが考えられます。
・学習計画の相談ができ、高校卒業に向けてスムーズに学習を進めやすい ・不明点を質問できたり、レポート作成の支援があったりして学習への不安が軽減される ・カウンセリングをはじめとした精神的なサポートがある ・進学を希望する場合、合格に向けた手厚いサポートが受けられる ・学校によっては、興味のある分野や技術に関するコースが履修できる ・他の生徒や先生と交流しやすい |
自分一人で学習をしっかり進められるか心配な方、学校生活に不安がある方、大学進学を視野に入れている方など、個別でしっかりフォローアップしてほしい場合にサポート校は向いています。
自分にあった学習スタイルの高校を選ぼう出典:PIXTA
通信制高校とサポート校では、取れる資格や学校生活、費用に違いがあります。性格や状況などをふまえ、自分にあった学習スタイルで高校卒業を目指せるよう、サポート校の活用も検討してみましょう。