通信制高校の入学を検討している方のなかには、高卒資格の取得が可能かどうか気になる方もいることでしょう。実際に通信制高校では、一定の条件を満たせば高卒資格の取得が可能です。
本記事では、通信制高校で高卒資格を取得するポイントを解説。学校選びのコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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高卒資格は全日制、定時制、通信制のいずれかの高校で単位を取得し、卒業証書をもらうことで得られる資格のことです。卒業証書を受け取った時点で、高卒資格の取得が認められます。
ただし途中で退学してしまった場合には、残念ながら高卒資格は取得できません。
一方で高卒認定とは、文部科学省が行っている高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)に合格することで取得できる資格のことです。8月と11月の年2回行われており、満16歳以上であれば試験に参加できます(※)。
※“文部科学省 公式HP”参照
高卒資格と高卒認定で注意しなければならないのが、最終学歴です。高卒資格は高校卒業を証明する資格となるため、履歴書の学歴には「高卒」と記載できます。
しかし高卒認定の場合は、高校卒業者と同等以上の学力があることを認める資格となるため高卒の証明にはなりません。そのため、履歴書には「中卒」と記載する必要があります。
似たような言葉であることから誤解する方もいるため、高卒の資格を取得したい方は注意が必要です。
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通信制高校は、通信教育を受けられる高校のことです。全日制や定時制とは異なり、自宅学習がメインになるのが特徴で、自分の好きなタイミングで授業が受けられます。
スクーリング(登校して直接授業を受けること)も必要ですが、自宅学習中心の学校が多く、通学の頻度が少ないのが魅力。以下のような方が高卒資格を取るにはぴったりの教育機関といえるでしょう。
・自分のペースで通いたい ・高校を中退し、高卒資格が取れなかった ・自分の進路や就職先を広げたい ・仕事や家庭の事情で通学が難しい ・不登校や引きこもりがちである ・集団生活が苦手 |
通信制高校のメリットは、高卒資格を取得できる点です。通信制高校は教育機関であるため、指定の条件を満たせば高卒資格を取得できます。高卒資格の取得条件は、以下の3つです。
・最低3年間の在籍(※編入者は在籍期間の短縮が可能) ・指定教科や科目の「履修」または「単位取得」 ・74単位以上の単位取得 |
通学頻度が少ない通信制高校は、年齢を問わず入学しやすいのも魅力のひとつ。仕事をしていても勉強に取り組みやすい社会人コースがある通信制高校なら、働きながらでも高卒資格取得を目指せます。
通信制高校の入学試験は、書類選考と面接が基本。一般入試のように試験対策をする必要はなく、学力に自信がない方でも入学しやすいのが魅力です。
通信制高校は、自由度が高く自分の好きなスタイルで学びが深められる点も魅力。通学型や在宅型、オンライン型など、学校によってさまざまな学習スタイルが用意されており、ライフスタイルに合わせた学び方を選択できます。
仕事や体調に合わせて学び方や登校頻度、時間割などが調整できるので、自分のペースで無理なく学習を続けられるでしょう。
通信制高校によっては、選択科目のプログラムが豊富に展開されている場合があるのもポイントです。プログラミングやデザイン、エンタメ、機械学習、スポーツなど、専門的な内容が学べる通信制高校もあります。
多彩な選択科目を受けることで、自分の新たな可能性が広がるでしょう。
通信制高校は、学習や進路相談のサポート体制が整っている点もメリット。学校によってはカウンセラーやキャリアアドバイザーなどが在籍している場合もあり、勉強や学校生活、友達関係、進路などさまざまな悩みを気軽に相談できます。
些細な事でも相談に乗ってくれるため、身近な講師の存在は学校生活において欠かせない存在といえるでしょう。
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通信制高校で高卒資格を取得するためには、最低3年間の在籍と指定科目の受講、74単位以上の単位取得の3つが必要です。
とはいえ、どのように学習を進めればよいのか分からない方もいることでしょう。
ここからは、通信制高校で高卒資格を取得するためのポイントと選び方を紹介します。
通信制高校で単位を取得するためには、学習計画を立てることが重要です。通信制高校は基本的に自宅学習がメインになるため、学習計画やスケジュールなどを管理する必要があります。
無計画で学習に取り組んでしまうと、単位取得が足りなかったり、指定科目の単位が取れていなかったりする可能性があるため注意が必要です。
通信制高校によっては、カリキュラムの仕組みが異なるため注意が必要です。例えば登校頻度が少ない学校を希望していたのに、スクーリングが多い学校を選んでしまうと、通学の負担が大きくなり継続が難しくなることもあります。
このようなミスマッチを起こさないためにも、自分がどのような学習スタイルが合っているのか把握した上で通信制高校を選ぶことが必要です。
学習面で不安がある場合には、サポート校を活用するのがおすすめです。サポート校とは通信制高校の学習をサポートする機関で、講師による手厚いフォローが受けられます。
学習計画を立てたり、授業で分からないところを丁寧に教えてくれたりするので、学習で苦労している方には魅力的でしょう。
サポート校を利用する際は、以下の2つに注意が必要です。
・通信制高校と連携しているかを確認する(※サポート校単体では高卒資格を取得できない) ・費用負担が増えやすい |
よく調べずにサポート校を利用してしまうと、あとで後悔する可能性もあるので、事前に仕組みを調べてから利用しましょう。
通信制高校を選ぶ際は、学費を把握しましょう。公立か私立かで大きく金額が異なるほか、展開されているカリキュラムによっては、より多くの費用が発生するかもしれません。
学費の内訳は、授業料や入学費、施設設備費、スクーリング費など。少しでも費用の負担を減らしたい場合、各学校の学費を比較するとよいでしょう。
初めての通信制高校で不安に感じる場合、体験授業や説明会、オープンキャンパスなどに参加するのがおすすめです。
学校によってはカリキュラムで展開されている授業を受けることができ、事前に学校の雰囲気を体感できます。気になる通信制高校で体験授業があれば、試しに受講してみてください。
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高卒資格に関するよくある質問をまとめました。資格取得で気になる疑問点があれば、事前にチェックしてみてください。
高卒資格は、高校を卒業したことを証明するもの。一方、高卒認定は「高校卒業者と同等以上の学力があること」を認める資格となるため「高校卒業」とは認められません。
高卒資格を取得することで、自分の進路や就職の選択肢が広がりやすいのがポイント。進学先(大学や専門学校)や就職先によっては高卒以上の条件を求められるところもあるため、自分の可能性を広げるためにも高卒資格の取得はおすすめです。
通信制高校は年齢を問わず入学できるため、必要な単位を取れば何歳でも高卒資格を取得できます。
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本記事では、通信制高校で高卒資格を取得するポイントを紹介しました。最低3年在籍し、指定の科目や選択科目などで74単位以上取得すれば、高卒資格の取得が可能です。
しっかり学習計画を練り、自分に合った学習スタイルで単位を取得していきましょう。