学校へ行かないことを叱ったり、責めたりすることで子どもは不安を感じ、自尊心を失っていきます。大切なのはお子さまの現状を受け入れ、気持ちを理解してあげること。不登校になる理由は様々ですが、子どもの言動に積極的に関わり,理解しようとすることで子どもは親と、そして自分自身と向き合うようになります。そのためにも常日頃からたわいもない会話をしたり、子どもの関心事に興味を持つ、また子どもの関心ごとに主体的に関わることなどで、親子の間に「言える―聞ける」関係を築くことができます。
| 貢献や協力に注目する | → | 「あなたのお陰でとても助かった。」 | 
|---|---|---|
| 過程を重視する | → | 「 できなかったけど、一生懸命やったね。」 | 
| すでに達成している成果を認める | → | 「 この部分はとてもいいと思うよ。」 | 
| 失敗をも受け入れる | → | 「 残念そうだね。この次はどうすればいいと思う?」 | 
| 個人の成長を重視する | → | 「この前よりずいぶん上手になったね。」 | 
| 相手の判断をゆだねる | → | 「 あなたはどう思う?」 | 
| 肯定的な表現を使う(リフレーミング) | → | 「気が小さいのではなくて慎重なんだね。」 | 
| 「私メッセージ」を使う | → | 「 頑張っている姿を見れて、私は嬉しい。」 | 
| 「感謝し共感する」 | → | 「 協力してくれてありがとう。助かったよ。」 | 
| 行為と人格を区別する | → | 「整理できない部分は、直した方がいいと思うよ。」 | 
「子どもの将来に関する不安」の解消には「登校」が目標であると思い込み易いのですが、まずは社会と向き合える土台を作ることが大切です。上記のような心構えを持った上でカウンセリングを受けたり、同じ悩みを持つ親の会に参加して情報を共有し、アドバイスを受けることも一つの手段です。
| 現職 | 上宮高等学校 教諭,関西学院大学大学院非常勤講師、大阪樟蔭女子大学非常勤講師 | 
|---|---|
| 所属学会 | 日本心理臨床学会,日本教育心理学会 | 
| 資格 | 公認心理師,臨床心理士,学校心理士スーパーバイザー | 
| 研究テーマ | 不登校の子どもをもつ母親の心理的成長過程,登校忌避感情と居場所 | 
| 取り組み | 学内では「保護者・教職員のための勉強会」「親の集い」「ホップの会」心理面接、学外では「不登校を考える会」 | 
| 著書 | ・シリーズ 荒れる青少年の心 ひきこもる青少年の心(2003)北大路書房 ・ストレスに負けないこころを育てる学校の取り組み(2005)教育開発研究所 ・よくわかる教育相談(2011) ミネルヴァ書房 ほか  |