通信制高校の入試・入学条件とは?

公開日: 2022年1月5日 更新日: 2022年1月5日

 

通信制高校は学ぶ意欲をお持ちの方に学ぶ場を提供することを目的としているため、全日制高校と比べて入学が簡単と言われています。しかし、応募すれば誰でも入学できる訳ではありません。各通信制高校に入試があるので、その内容に沿った対策を行う必要があります。通信制高校の入試内容はどのようなものがあるのでしょうか。入試内容だけでなく入学条件や準備など入試に関する様々なことについて、ご紹介いたします。

通信制高校の入学条件

通信制高校の入学条件は以下のようになります。

入学者資格

入学者資格には新入学・転入学・編入学の3種類があります。高校卒業資格を有している方は入学できません。

新入学

中学校卒業見込みの方。中学校卒業後、高校に在籍されてない方が対象です。

転入学

在籍中の高校から通信制高校の同じ学年へ転校することです。休学中でも可能です。

編入学

高校を中退した方や海外から帰国・移住された方。高等専門学校に在学されている方が習得した単位を活かした入学する方法です。

年齢制限はないが、公立校は地域の制限がある

入学する前年度末までに満15歳であること以外、年齢制限はありませんが一部の学校では年齢制限が設けられている場合があり確認が必要です。公立校は狭域制と言い、学校がある都道府県と隣接する都道府県に住所や勤務地がある方以外は入学できません。反対に広域制では住所や勤務地の条件がなく、全国どこからでも入学可能で私立校の多くは広域制を採用しています。

全日制高校との併願も可能

全日制高校と併願で受験することも可能です。私立の通信制高校では、併願する全日制高校が公立・私立どちらでも問題ありませんが推薦で通信制高校を受けるのであれば単願・専願など、入試制度の確認が必要です。公立の場合、前期で公立全日制高校に落ちても後期に同地域の公立通信制高校に出願可能な場合があります。

通信制高校の入試の種類

通信制高校は全日制と比べて、入学しやすいと言われていますが応募すれば入学できる訳ではありません。一般的な入試内容について、ご紹介します。

書類選考+面接が多い

通信制高校では、書類選考と面接で合否が決定されることが一般的ですが、公立か私立によって、変わることがあります。私立校の入試は書類選考のみの学校もあれば、書類選考と面接の2つ。作文が試験として出題されることがありますが、筆記試験などの学力検査は少ないと言われています。これに対し公立校の場合、一部の教科の学科試験が行われることがあります。

ただし、すべての公立校が同じ条件ではなく、都道府県によって学科試験の内容や学科試験自体が無いこともあるため、公立の通信制高校への入試をお考えの場合は入試内容について事前確認をおすすめします。

よほどのことがないと入試で落ちることはない

全日制高校と比べて、通信制高校の入試で落ちることはほとんどありません。過去に法律違反やいじめをしていた経験があると素行不良と判断され、不合格の可能性がありますが面接や試験の出来が合否を左右することはありません。

全日制高校では、その高校の学力に見合う生徒を選抜するために入試を行いますが、通信制高校の場合は現在の学力ではなく「勉強したい」「高校卒業資格を取得したい」など学習意欲や何を目的として入学したいのかなど入学意欲・やる気などが重視されます。そのため、何らかの理由で学校に通うことができず、学力に自信がない場合でも意欲を伝えることで合格の可能性が高まります。

入試に落ちるケース

よほどのことがない限り、落ちることはありませんが受験生すべてが絶対に合格できる訳ではありません。人気がある学校の場合、定員オーバーになることがあります。定員オーバーはどうしようもありませんが、面接での態度や言動から生徒として迎えるには相応しくないと判断された場合や入試や面接に来なかった場合などです。

通信制高校の入試で重要なのは生徒本人のやる気と意欲です。入試や面接に来ないのは、やる気も意欲だけでなく常識もないと判断されるため、合格することはまずありません。

入試に必要な準備

通信制高校の入試に必要な準備とは、どのようなものがあるでしょうか。

受け入れ時期の確認

日本の学校では4月に入学するのが一般的ですが、通信制高校の多くは4月と10月に入学できるようになっています。様々な事情から4月に入学する準備が間に合わなくても10月の入学に向けて準備ができますし、通信制高校は学年制ではなく単位制なので学年の概念も留年の概念もありません。取得すべき単位を取ることで卒業となるため、10月入学でも周りに遅れを取るということはないため時間的な負担と精神的な負担。両方が軽減できます。

受けたい学校の入試を調べておく

多くの通信制高校の入試は書類選考と面接の2つですが学科試験があるところもあれば、作文が入試として出題される学校もあり、入試内容は学校ごとに異なります。書類選考と面接が一般的な内容だから受験する学校も同じだろうと思い込むのは危険です。予測していなかった内容が入試にあると、本来の力を出すことが出来ないことがあります。資料請求や各学校のホームページなどを確認するなど情報収集を行いましょう。

出願書類の準備

入試を受けるために出願書類を準備する必要があります。受験生本人と保護者が記入する必要がある入学願書。出身中学または高校に作成をお願いする調査書や転入・編入する場合は転学証明書、在学証明書が必要になります。推薦入試を受ける場合は推薦書の提出も必要です。必要書類は何かを事前に確認して、直前になってバタバタしないよう提出期限の確認と出願書類の作成・必要書類作成の出身校に依頼しましょう。

受験料の支払い

受験料の金額と支払期限は学校によって異なります。受験料の平均額ではありませんが、人気があると言われている通信制高校の受験料は5,000円~15,000円前後と幅広い金額設定がされています。受験料は入試前の先払いが一般的で銀行振込・郵便局での払い込みの他、クレジットカード・コンビニで支払える学校もありますが当日現金払いの学校も一部あります。受験する学校の支払い方法と期限の確認を事前に行っておきましょう。

出願書類の提出

出願書類の提出は、受験する通信制高校の窓口に直接持参する方法以外に郵送で提出するなど一般的な方法の他にWEB出願を行っている学校も増えています。WEB出願では書類を手書きする必要がなく24時間いつでも手続きが可能なので簡単に行えますが、全ての学校が行っている訳ではないので、こちらも確認が必要です。提出時期と期限を確認し、ご自身が提出しやすいと思える方法で出願書類の提出を行いましょう。

通信制高校の入試対策

合格しやすいからと入試対策を疎かにはできません。入試対策についてご紹介します。

面接対策をしっかりと

面接で重要なのはなぜ、この学校に入学したいのかを伝えることです。面接は大人でも緊張するので、うまく話せなくても問題ありません。自分の言葉で伝えることを意識しましょう。入試面接は話す内容だけでなく態度も確認されるため対面で行われ、オンラインで面接を行っている学校はないようです。人と話すのが苦手な方もいると考えられますが、親同伴で面接が可能な学校もあるので、親子で面接対策をしておくと良いでしょう。

面接で聞かれること

面接で聞かれることは志望動機・入学後、何をしたいか・卒業の進路や夢・趣味など様々です。面接は5分から長くて20分ほどで受験者を落とすことが目的ではなく、人となりを確認することが目的なので思ったことを素直に伝えれば問題ありません。よく聞かれる質問がなぜ、この学校なのかという志望動機です。無理に飾った言葉を使う必要はありませんが具体的に答えて、面接官に自分の考えが伝わるように心掛けましょう。

作文対策もしっかりと

作文は事前に書いたものを提出する方式と入試会場でテーマに沿って書くよう求められる2つがあります。前者は自宅で時間をかけて書けますが、後者はその場でテーマが決められ時間制限がある中で書かなければいけませんが事前に練習することで対策は可能です。面接と同じく、入学したいと思った志望動機に関するテーマが多いようです。作文と面接で内容に矛盾があると指摘を受ける可能性があるので、共通した内容になるよう意識しましょう。

まとめ

通信制高校の入試について、ご紹介しました。通信制高校は様々な事情から全日制高校での通学が困難な方。社会人になってから勉強したいと考えるようになられた学ぶ意欲がある方に学ぶ場を提供する場なので、合格しやすいと言われています。落ちることはほとんどないと言われていますが、応募者全員が合格するとは限りません。受験する学校の入試内容について情報収集し事前準備を怠らずに、こちらの記事でご紹介した入試に関する必要なことについてご確認ください。通信制高校へ行こうでは様々な通信制学校の詳細についてご紹介しております。地域ごとに合同個別相談会も行っておりますので、ご自身やお子様に最適な学校を見つけるためにご参加をお待ちしております。