通信制高校は学校に通わなくていいと思われている方が多いかもしれませんが、年間一定の日数、通学することが定められており、この条件を満たすことも通信制高校の卒業条件の1つです。
通信制高校では、通学することをスクーリングと呼んでいます。一定の日数とは年間何日くらいでしょうか。
この記事では、通信制高校のスクーリング(通学)の種類や内容、なぜ通学しなければいけないのかについて解説いたします。
全日制高校なら通学することは授業を受けることを意味しますが、通信制高校のスクーリングでは、どのようなことをするのでしょうか。内容と種類について、ご説明します。
通信制高校のスクーリングとは、全日制高校と同じように学校へ登校し、先生と対面で授業を受けることです。
スクーリングは通学、対面授業や面接指導など呼び方は様々です。通信制高校は自宅学習が基本です。
自宅学習は好きな時間に自分が勉強したい教科を学べるのが特徴でありメリットですが、自習形式になるため分からないことがあると、そこで勉強が止まってしまいます。分からずに止まってしまった部分をそのままにしてしまうとレポート作成ができず、単位を取得できません。
そのようなことにならないよう、スクーリングで先生から直接、分からない部分を教えてもらい理解を深め、単位を取得できるようにする。これがスクーリングを行う目的の1つです。
スクーリングは勉強で分からない部分を先生から直接、教えてもらうこと以外にも目的があります。通信制高校でも全日制高校と同じように体育祭などの行事があります。スクーリングで行事に参加することで同じ学校に通う仲間と触れ合う目的もあります。
スクーリングは学校によって三つの種類があります。三種類それぞれの特徴をご説明します。
通学型は週1~5日スクーリングを行います。ほぼ全日制高校と同じ形です。
対面で授業を受けることができるので学習理解度を高められ、大学や専門学校などへの進学を考えている場合や専門的な分野を学べるコースがある学校であれば、通学型でのスクーリングがおすすめです。
夏や冬、GWなど連続して休暇が続く期間に集中してスクーリングを行うのが集中型です。
通学型よりスクーリング頻度が少ない分、集中型は1日の授業時間が長めです。
勉強以外に専念したいことがある方、働いているので通学型は難しい方やその他の理由でスクーリングの頻度を抑えたい方には集中型がおすすめです。
合宿型は名前の通り、合宿で集中型よりも短期間でスクーリングするタイプです。
リゾート地のホテルなどの宿泊施設を利用して授業を行います。集中型よりも、さらにスクーリング頻度を抑えたい方に向いていますが、授業料とは別に会場までの交通費と宿泊費用が発生するため、経済的な負担がかかるデメリットがあります。
スクーリングの内容はどのようなものでしょうか。回数や時間、受ける授業、スクーリングの際の服装や持ち物についてご説明します。
スクーリングの回数は週1~5回、月1~2回、年間5回程度しかスクーリングがない学校もあります。スクーリング回数は学校ごとに運用が異なるので、ある学校では月1~2回のスクーリングだとしても、他の学校でも同じように行われているとは限りません。
入学を考えている学校があればホームページなどで確認するか問い合わせてみましょう。
スクーリングの時間は学校によって異なります。通学型だと朝9時過ぎかお昼前までなど少し遅めの時間に登校し、下校は15時前後と全日制高校よりも短めの時間設定になっていることが多く、集中型や合宿型は短期間に一気に行うため、時間は長めになります。
こちらも運用は学校ごとに変わるので確認をおすすめします。
スクーリングで行われる授業とそれぞれのレポート、スクーリング回数は下記の表をご確認ください。
教科・科目 | レポート | スクーリング |
国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
理科 | 3回 | 4単位時間 |
保健体育の「体育」 | 1回 | 5単位時間 |
保健体育の「保健」 | 3回 | 1単位時間 |
芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
家庭・情報 | 2~3回 | 2~8単位時間 |
科目によって回数が異なるのは、先生から対面で授業や指導を受けて理解を深める必要があると判断されている科目はスクーリング回数が多く設定されているためです。
また、スクーリングの時間は1単位50分と高等学校指導要領で決められています。スクーリング回数を調整して回数を抑えたいとお考えでしたら、どの科目を選択すれば良いか上記の表を確認し学校側と相談して決めると良いでしょう。
スクーリングの際、どんな服を着ていけばいいのか全日制高校のように制服があるのか気になる方は多いのではないでしょうか。制服がある学校もありますが、通信制高校では基本的に服装は自由で制服や私服どちらでスクーリングしても問題ない学校がほとんどです。
普段のスクーリングは好きな服を着て、行事がある場合は行事内容に合わせた服装をします。
入学式や卒業式などの式典には制服か正装でなど様々です。学校によっては行事や式典での服装の指定を受けることがあるので、それに従えば問題ありません。
持ち物は授業を受けるため、教科書、ノートや筆記用具が必要です。学生証も携帯します。学校の周囲にお店がない場合はお弁当を用意した方がいいかもしれません。
種類や学校によって、スクーリングの回数が少ないとスクーリングがない学校もあるのでは?と思うかもしれませんがスクーリングは必須です。理由について、ご説明します。
レポートを提出し添削指導を受けるだけでは単位取得は認められません。
卒業に必要な74単位を取得するにはレポートとスクーリング、単位認定試験に合格して取得が認められます。これは高等学校学習指導要領で定められているため、スクーリングがない学校はありません。スクーリング回数が学校によって異なるのは、運用方法が異なっているだけで必要回数は、どの学校でも同じです。
「スクーリング(通学)の際に受ける授業」でご説明した表にある科目ごとのスクーリング回数を履修するだけでなく、ホームルームや遠足などの特別活動もスクーリング対象です。合計で30単位時間、履修しなければ卒業条件を満たすことはできません。
通信制高校でも体育の授業はあります。こちらも高等学校学習指導要領で定められているので必ず履修しなければいけません。
通信制高校の体育の授業はサッカーや野球の試合、マラソン大会のように本格的に体を動かすような内容ではありません。通信制高校は体育館などの施設がない学校も珍しくなく、また、心身の理由から体を動かすことが苦手な生徒への配慮もあり、体育は少し体を動かす程度の体操やスポーツ観戦することで履修が認められる学校もあります。
服装は指定の体操着がない学校がほとんどなので、ジャージなど動きやすい服を用意し靴も本人が運動しやすいと思えるものなら、それで問題ありません。
ここまで、通信制高校のスクーリングについて解説いたしました。全日制高校よりもスクーリング(通学)頻度が低いのが通信制高校の特徴の一つですが、卒業に必要な74単位を取得するには30単位時間のスクーリングが必須です。
スクーリングは通学型・集中型・合宿型の3種類あり、科目によって回数が変わります。ご自分の学習スタイルに合ったもの、お勤めされている方であればお仕事に影響を与えない種類や学校選びをしましょう。
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