通信制高校におけるレポート作成とは

公開日: 2022年6月7日 更新日: 2022年6月7日

 

通信制高校の学習でレポートは重要なものです。
通信制高校は毎日、授業を受けることがないので生徒の学習理解度や進捗などを先生が把握する意味でもレポートの作成と提出は欠かすことができません。
 小中学校や全日制高校ではレポート作成をすることはほとんどないため、どんな内容なのか不安になる人もいるかもしれません。この記事では、通信制高校のレポートの内容などレポートに関する様々な疑問について解説いたします。

 通信制高校の卒業までの流れと学習方法

最初に通信制高校の卒業までの流れ・学習方法を確認しましょう。

 通信制高校における卒業までの流れ”

通信制高校を卒業するには一般的にスクーリング(通学)・レポートの提出・定期試験を受けて単位を取得していきます。卒業に必要な単位数は74単位で、これは通信制・全日制・定時制全ての高校で同じです。スクーリング回数は学校によって回数や形式が異なります。年に数日で済む場合や毎日通学する場合、合宿形式の学校もあります。学習方法は自宅学習が基本で、教科書や教材を基に学習しレポートの作成・提出を行います。

定期試験は年に1〜2回。試験に合格することで単位の取得が認められます。この他に遠足や学園祭、修学旅行など、卒業に必要な学習だけでなく高校生活を楽しみ、友達を作るきっかけになる学校行事も用意されています。

 “通信制高校の卒業に必要な単位数や条件”

卒業に必要な74単位の詳細と条件について確認しましょう。

教科・科目 レポート提出・添削 スクーリング
国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 3回 1単位時間
理科に属する科目 3回 4単位時間
保健体育に属する科目のうち「体育」 1回 5単位時間
保健体育に属する科目のうち「保健」 3回 1単位時間
芸術及び外国語に属する科目 3回 4単位時間
家庭及び情報に属する科目並びに専門教育に関する各教科・科目 必要に応じて2~3回 必要に応じて2~8単位時間

 

各教科・科目の1単位を取得するには上記の回数のレポート提出・添削とスクーリングが必要です。
スクーリングの1単位時間とは50分になります。
 この他に3年以上の在籍と30単位時間以上の特別活動が卒業要件となります。

 “通信制高校学習の流れ”

卒業の流れでもご説明したように通信制高校の学習の流れはスクーリングとレポートの提出、定期試験を受けて、各教科・科目の単位の取得を繰り返します。レポートの提出方法は、郵送以外にパソコンやスマートフォンからオンラインで提出ができる学校もあります。 全日制高校と違うのは定期試験です。

全日制高校は中間・期末試験の時期が来れば、生徒全員が試験を受けることが一般的ですが、通信制高校は、レポートの提出とスクーリング、どちらとも規定回数を満たしてなければ受験資格を得られないのが一般的です。試験を受けることができないと単位の取得が認められないため、レポートとスクーリングは規定回数を必ず満たさなければいけません。

“単位取得におけるレポートの重要性”

レポートは非常に重要です。レポートを提出しないと学校側は、その生徒が卒業するために必要な学力を身に付けられているのか判断することができません。判断ができなければ、単位取得に必要な定期試験の受験資格も得られないためレポートの提出を疎かにすることはできません。

通信制高校は単位制なので留年という概念がありません。卒業までに74単位を取得すればいいので焦る必要はありませんが、日々の学習もレポート提出も計画的に行わなければ卒業が延びてしまう可能性があります。3年間で卒業しようと、高校在籍2年目以降に一気に単位を取得しようとすると学習とレポートに追われることになるのでレポートは提出期限を守って計画的に作成・提出しましょう。

 通信制高校におけるレポートの内容

レポートの内容・難易度などは、実際に確認してみないと想像しにくいかもしれません。
ここでは、レポートの内容について解説いたします。

 “問題集のようなもので穴埋め形式であることが一般的”

学校や科目によって形式は異なりますがレポートは穴埋め形式が多く、教科書や参考書を確認すれば解けるようになっています。この他に教科書や教材の内容を要約して記述する記述式のレポートを採用している学校もあります。定期試験はレポートの内容から出題されることが多いので、内容を確認しながら作成して定期試験に備えるようにしましょう。

“難易度はそれほど高くはない”

レポートは卒業に必要な単位取得に欠かせないものなので、難易度が高そうなイメージを持つかもしれませんが、実際にはそれほど高くありません。通信制高校は一般的に高校卒業資格取得を目的にしているため、必要科目・選択科目の教科書・教材を基に学習していれば解けない・理解できないような問題が出題されることはほとんどありません。

どうしても分からない問題があれば、スクーリングの際に先生に教えてもらうことができます。オンラインで先生に質問できる学校もあるので、レポートの難易度はあまり気にする必要はないでしょう。

“インターネットや郵送にて添削依頼をする”

レポートを作成したら提出して終わりではありません。先生が添削を行い、正しく理解できているかが確認されます。添削を受けたレポートを確認し、間違っていた問題があれば、改めて学習し直して再度、提出・添削を繰り返します。レポートの提出方法は郵送か、スクーリング時に直接、提出する方法以外にパソコンやスマートフォンから専用のアプリなどを使って、提出だけでなく作成することができる学校も近年、増えつつあります。 

“レポートの量”

1単位を取得するために必要なレポートは教科・科目によって異なりますが、3通ほどです。1年間で30単位を取得する場合は、単純計算でレポートを90通、作成することになります。1か月の提出回数は7〜8通。3〜4日に1通という計算になります。数字を見ると休みなく、学習とレポート作成をしないといけないように感じますが、卒業に74単位取得が必要なのは全日制高校で通信制高校だけ特別ではありません。
レポートの難易度もあまり高くないので、計画的に行えば無理なく作成することができるでしょう。

大学進学を目指すなら

大学進学を目指している場合、レポートの作成・添削による学習で必要な学力は身に付くのでしょうか?

“あくまで高校卒業程度の学力を養うことが目的である”

通信制高校は、基本的に高校卒業資格を取得することが目的です。通信制高校には小中学校や以前、在籍していた高校で不登校になってしまった・不登校の経験がある生徒も多数、在籍しています。不登校を経験していると学力に自信がないことが多いため、中学校までのおさらいや高校卒業に必要な学力を身に付ける学習内容になっている学校が多く、大学進学に必要な学力を身に付けるのは難しいといえます。

高校受験で進学校を受験する場合、中学校で受ける授業以外に塾などで受験に必要な内容を学習するように、大学進学の際も通信制高校の学習内容とは別に大学受験に必要な学習を受ける必要があると考えるべきでしょう。

“大学進学を目指すなら受験勉強も必要”

以前と比べて、通信制高校から大学進学を目指す生徒は増えており、通信制高校の中には大学進学を前提にしたカリキュラムを設けている学校もあります。しかし、多くの通信制高校はあくまでも高校卒業資格取得が目的であることは変わりません。

高校卒業資格取得は学習計画を立てて、レポート提出など卒業要件を満たすための学習とスクーリング・定期試験を受ければ1人でも可能ですが、大学受験は学習方法や学習範囲などの判断が難しいため、1人では難しいものがあります。大学進学を真剣に目指しているのであれば、大学進学に関して実績がある通信制高校に入学するか、サポート校などの力を借りて志望校に見合った受験勉強をする必要があります。

まとめ

通信制高校のレポートについて解説いたしました。
通信制高校ではレポートは非常に重要です。レポートを提出しないと定期試験の受験資格を得られないので、単位の取得ができません。3年間で卒業することを目標にしているなら計画的にレポートの作成・提出をしましょう。難易度はあまり高くないので、無理なく作成することができるはずです。入学を検討している学校のレポートについて詳しく知りたいとお考えであれば、合同個別相談会に参加されてはいかがでしょうか。 通信制高校へ行こうでは定期的に合同個別相談会を開催しております。

レポート以外にも気になることがあれば直接、学校側に聞いて学校選びの参考になさってください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。