不登校の相談先や相談するメリットを解説します。小学生、中学生、高校生の不登校の子どもを持つ親御さんに向けて相談窓口や不登校の定義などについてもまとめました。不登校の際の相談先に困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、不登校の定義や不登校に当てはまらない場合について解説します。「どのくらい休むと不登校となるのか」という疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
文部科学省が公表する不登校の定義は、以下の通りです。
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年間30日以上の長期欠席をしている子どものうち、病気や経済的な理由による欠席をのぞいた場合、不登校とみなされます。そのため、次のような場合は不登校として当てはまりません。
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国立教育政策研究所では、「準不登校」という不登校になりそうな児童や生徒を予見するための指標も設けられています。準不登校の基準は以下の通りです。
欠席日数+保健室等登校日数+(遅刻早退日数÷2)=15日以上30日未満 |
※“国立教育政策研究所 不登校・長期結成期を減らそうとしている教育委員会に役立つ施策に関するQ&A”参照
年間の欠席日数が30日以上という不登校の定義に当てはまらない場合でも、専門機関に相談できます。学校を休む日数が増えて不登校となる前に、未然に防げるよう対応することも大切です。
欠席日数に関わらず、学校に苦手意識がある場合は専門機関に相談してみましょう。
不登校は家庭内で解決しようとするよりも、専門家の支援を受けたり、相談できる人を見つけたりすることが、解決の糸口となります。
しかし、専門機関に相談するのは少しハードルが高く思えるかもしれません。まずは、不登校を相談するメリットについて紹介します。
不登校の相談施設やサポート団体には、不登校問題に取り組んでいる専門家がいるため、さまざまなアドバイスが受けられるのがメリットです。専門家は、子どもの心理状態やこれまでの事例をもとに、効果的な対応を提案してくれます。
施設同士で協力していることもあるため、子どもに合った支援が受けられたり、専門的な情報を紹介してくれたり、心理カウンセラーからの支援を受けられることもあるでしょう。
また、不登校のときに何をしたらいいのか、具体的に提案してもらえることもメリットです。支援の内容の例は、以下の通りです。
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不登校の子どもも保護者も、不登校の問題についてストレスを抱えていることでしょう。誰かに相談することで、気持ちが楽になるというメリットもあります。
話を聞いてもらったり、相談したりすることで、再度親子で不登校の問題に向き合うことができるかもしれません。心が安定した状態で話すことが、不登校問題を解決する糸口となることもあります。
不登校の問題は家庭内で抱え込まず、さまざまな施設や団体などの第三者の協力も必要です。保護者だけで解決しようとすると共倒れになる可能性もあります。
他者に相談することで、「自分のせいで不登校になったかもしれない」「不登校は親にも原因がある」などの思い込みや不安が解消できることがメリットです。
相談することで頼れる人や居場所が見つかることもメリットの1つです。相談先が見つかると、子どもと保護者の心の支えになります。
とくに担任の先生やカウンセラーなどの学校内で相談できる人が見つかると、登校するハードルが下がるでしょう。不登校について詳しく知ってくれている人がいることや、気にかけてくれる人がいることで、自分にも居場所があるという認識が持てることが大切です。
実際に不登校について相談する際に、どのような相談窓口に相談したらよいのか解説します。学校以外の相談先も紹介するので、参考にしてみてください。
不登校の相談窓口の1つ目は、学校です。学校の関係者は、学校の関係者は、児童や生徒の身近にいるため、相談しやすいのが特徴。実際に登校する際にもサポートが受けられるため、はじめは学校の関係者に相談してみましょう。
不登校のことを相談しやすく、身近な立場である「担任の先生」への相談は必須。普段のクラスの状況や子どもの様子、学業や性格などをすでに知っているため、スムーズに話し合いができます。
また登校しやすいように、実際に学校でサポートしてもらえます。はじめは、担任の先生に相談してみましょう。
不登校の児童や生徒は、保健室に登校する場合もあるため、養護教諭への相談もおすすめ。まずは保健室登校を始めるためにも、一度養護教諭に相談して、サポート体制を作ってもらうことから始めましょう。
保健室登校と同様に、スクールカウンセラーがいる相談室に登校する児童や生徒もいます。スクールカウンセラーは、心理についての専門知識を持っており、児童や生徒の抱える問題について助言や指導を行ってくれる、学校専門のカウンセラーです。
担任の先生や養護教諭ではできない、心のケアを行ってくれるのがメリット。養護教諭と同様に、スクールカウンセラーにも相談して、登校時のサポート体制を作ってもらうことをおすすめします。
不登校の相談窓口の2つ目は、学校関連の相談窓口。学校内の関係者以外にも相談が必要な場合は、「特別支援教育コーディネーター」や「教育支援センター(適応指導教室)」などの学校関連の相談窓口がおすすめです。
特別支援教育コーディネーターは、発達障害や何らかの疾患を抱えて、通常のクラスで授業を受けるのが困難な児童を支援するスタッフを指します。
特別支援コーディネーターが設置されている学校もあるので、子どもの不登校に障害や病気が隠れていそうな場合は、相談してみるのがおすすめです。
教育支援センター(適応指導教室)は、地域の教育センターに設置されているもので、主に不登校の子どもに対して学校への復帰や社会的な自立の手助けを行う施設。同じような不登校の子どもたちと少人数で学習できるのがポイントです。
保護者からの相談も受け付ける施設も多くあります。また、教育員会の管轄する施設であるため、適応指導教室に通った場合、在籍する学校が出席扱いになることもあるのが特徴です。
不登校の相談窓口の3つ目は、公的機関。子どもに関する専門機関は、子どもの支援に対する専門的なスタッフに相談できるのが特徴です。予約が必要な場合もあるので、相談前にWebサイトで確認しましょう。
児童相談所は、都道府県が設置している専門機関。不登校に限らず、子どもに関する相談を受け付けています。カウンセラーや児童福祉士などの専門家がいるのが特徴です。
青少年センターも同様に、都道府県が設置している専門機関。子どもに限らず、若者の支援も行っています。電話で相談できる施設もあるのが特徴です。
児童家庭支援センターは、市区町村が設置している専門機関。18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に対応しています。必要に応じて児童福祉施設の紹介が受けられるのが特徴です。
不登校の相談窓口の4つ目は、フリースクールです。フリースクールは、不登校のこどもを支援する施設のこと。学習支援からカウンセリング、学校のような体験学習など施設ごとにさまざまな取り組みを行っている民間団体です。
主に学校に行かないと決めた子どもが集まり、学校以外の居場所となります。在籍校と連携することで、フリースクールに通うと在籍校の出席認定が取れる場合があるのが特徴。一方で、費用がかかることがデメリットです。
不登校の相談窓口の5つ目は、カウンセリング施設です。心理カウンセラーという資格を持つ「心の専門家」が不安に思うことを聞いてくれます。
不登校に強いカウンセリング施設もあるので、自宅から通えそうなカウンセリング施設を調べてみてください。最初は親御さんがカウンセリングを受け、2回目以降に子どものカウンセリングを受ける場合が多いです。
学校や専門機関に不登校について相談する際は、以下のポイントを意識することでスムーズに相談できます。ここから、不登校について相談するポイントを解説するので、相談の際の参考にしてみてください。
「いつ不登校になったか」「不登校になる前の様子」「現在の子どもの様子」など子どもに関する詳しい情報をメモしておきましょう。事前に、相談内容や子どもの様子についてまとめておくことで、相談がスムーズに進みます。
公的機関の中には、予約が必要な窓口も多くあります。事前に、利用条件や予約ができるかどうかについて、WEBサイトや電話で確認しましょう。
専門機関やカウンセリングなどを選ぶ際は、自宅から通いやすい施設を選びましょう。定期的に通うことを考え、遠すぎない施設を選ぶことがおすすめです。
不登校について相談する上で、相手との相性は大事。相談先との相性が合わないと感じたら、次を探すことがおすすめです。子どもも相談しやすいカウンセラーや相談者を見つけましょう。
本記事では、不登校についての詳しい解説から、不登校を相談するメリットや、相談先の詳しい解説を行いました。まずは、身近な担任の先生から相談してみるのがおすすめです。より専門的な相談は、公的機関や民間団体に相談してみましょう。