不登校の子どもへの対応方法を解説!NG行動も紹介

公開日: 2024年7月11日 更新日: 2024年7月11日

親の中には、子どもの突然の不登校で対応に困っている方がいることでしょう。本記事では、子どもが不登校になった場合の対応方法を年代別に解説します。やってはいけないNG行動や不登校になる原因についても紹介します。

年代別不登校への対応方法

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不登校とはいっても、年代別によって原因や傾向、対応策などは異なります。例えばいじめが原因で不登校になった場合、小学校の場合は靴を隠されたり、暴力を振るわれたりというようなことが多いですが、中学や高校となると、陰口を言われたり、仲間外れにされたりというように要因が違ってくるのです。

このように学年によって不登校になる原因や傾向が変わることがあるので、年代別に応じて不登校への対応方法を変える必要があります。

小学生の不登校への対応方法

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小学生の不登校への対応方法は、学年ごとに異なります。なぜなら学年が上がることによって、不登校になる理由が違うためです。例えば小学1年生の場合は学校環境の不慣れさや親と離れたくない不安などが不登校の理由になりやすいですが、高学年となると人間関係や勉強などについての悩みをきっかけに不登校になりやすくなります。

そのほかにも、親の離婚や兄弟の誕生などの家庭環境の変化など、さまざまな要因が不登校のきっかけになることもあります。

小学生の不登校への対応方法は、無理に行かせようとはせず逃げ道を作ってあげること。小学生の場合は親に頼りたくなる時期でもあるので「辛かったら学校に行かなくてもよい」と伝えた上で、子どもの意見に耳を傾けましょう。

中学生の不登校への対応方法

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中学生は思春期や反抗期が重なる時期でもあり、些細なきっかけで心身のバランスが崩れてしまいやすいです。とくに小学校から中学校へ進学した時期は中一ギャップと呼ばれるように、勉強や人間関係、部活など新しい環境にさらされるので、心身共に疲弊してしまう子どもはたくさんいます。

中学生の場合は、小学生とは異なり思春期や反抗期を迎える子どもがほとんどなので、アプローチを変えることが必要です。今まで通りに手厚く接しようとすると、子ども自身は「鬱陶しい」「関わらないでほしい」と思うことがあるかもしれません。

中学生の不登校への対応方法としては、過干渉にならず、そっとしておくことが大切です。不登校になってから落ち着いてきたら、子どもの話に耳を傾けたり、学校以外の手段を提案するなどして、しっかり寄り添いましょう。

もし思春期や反抗期などで子どもとコミュニケーションが取りにくい場合は、スクールカウンセラーや不登校を支援する職員など、第三者の協力を受けるのも1つの手段です。

高校生の不登校への対応方法

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高校生の不登校は、環境の変化や人間関係のトラブル、授業内容のレベルアップ、大学受験など原因はさまざまです。小学生と中学生と異なる点は、義務教育ではなくなるため通えない状況が続いてしまうと、中途退学になる可能性があります。

そのような現実を突きつけられてしまうと、受け入れられずそのまま引きこもりになったり、社会的交流を断絶したりというようなことが起こるかもしれません。高校生の不登校の対応としては、無理に通わせようとはせず、そっと見守ることが大切です。

もし今の高校に通い続けるのが難しい場合は、ほかの進路も視野に入れた方がよいでしょう。例えば夕方から登校できる定時制高校に変えたり、自習がベースとなる通信制高校にしたり、フリースクールに通ったりするなどが挙げられます。

親ができる不登校への対応方法

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子どもが不登校になった場合は、どのような対応を取るべきなのか悩んでいる方もいることでしょう。人によってはどうにか学校に通わせようと、努力する方がいるかもしれません。

親ができる不登校への対応は、以下の方法がおすすめです。次項では具体的に、どのようなポイントを押さえるべきなのか紹介します。

  • 不登校の現状を受け入れる
  • 学校を休んでもよいと伝える
  • 問い詰めず子どもの話に耳を傾ける
  • 本人が取り組んでいることを応援する
  • 段階的に学校に慣れさせてみる
  • 学校以外の選択肢を増やす
  • 専門機関に相談してみる

不登校の現状を受け入れる

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子どもが不登校になった場合は、まずは現状を受け入れることが必要です。初めてわが子が不登校になった現実を目の当たりにした際、焦りや不安を感じてしまう親はほとんどでしょう。

しかし、不登校の子どもにとって学校はネガティブなイメージのため、焦った結果、ますます学校に行きたくなくなるケースもあります。

冷静に対処するためにも、まずは焦ることなく不登校の現状を受け入れましょう。

学校を休んでもよいと伝える

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子どもが不登校になった場合は、学校を休んでもよいと伝えましょう。子ども自身も「学校に行かなければ皆に置いて行かれる」「学校に行かないと自分はダメになってしまう」という不安な気持ちがあります。

そこで親から「学校に行きなさい」と言われてしまうと、さらにプレッシャーを感じやすくなり本人を追い詰めてしまうこともあります。

子どもにプレッシャーを与えないようにするためには、学校を休んでもよいことを伝えて不安を和らげることが必要です。本人の意思を尊重した上で、寄り添う姿勢で見守りましょう。

問い詰めず子どもの話に耳を傾ける

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子どもが不登校になった場合は、問い詰めず話に耳を傾けましょう。「どうして学校に行けないの?」「学校のなにがいやなの?」と問い詰めてしまうと、子どもにとってはプレッシャーを感じやすいです。

不登校になった原因は、親には伝えられない複雑な事情であったり、本人自身が理由が分からなかったりするケースもあります。

もし不登校になった理由を打ち明けられそうにない場合は、そっとしておくこと大切です。時間が経過すれば本人から不登校になった理由を伝えることもあるので、その際は話にしっかり耳を傾けましょう。

本人が取り組んでいることを応援する

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不登校と聞くと、どうしても「部屋に閉じこもっている」「ずっと寝ている」というようなイメージを持たれがちでしょう。しかし不登校になったからといって、そうなるとは限りません。

子どもによっては、勉強や趣味、ゲームなどに打ち込んでいることもあります。もし本人が取り組んでいることがあれば応援しましょう。本人が全力で取り組んでいることを応援することによって、学校に通いたくなるきっかけになるかもしれません。

段階的に学校に慣れさせてみる

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もし子どもが「また登校したい」という前向きな気持ちになった際は、本人の納得のもと段階的に学校に慣れさせてみるのがおすすめです。いきなり学校に行かせようとすると、本人にとってはハードルが高く恐怖や不安などさまざまなネガティブな感情を抱きやすくなります。

中学生の不登校に当てはめた場合、最初は制服を着て荷物をまとめるところから始め、次は玄関までの移動、家の外、通学路、校門、保健室登校というように段階を上げていきます。子どもによって復学できるスピードは異なりますが、少しずつ成功体験を積み重ねることが大切です。

たとえ失敗したとしても怒らず、「次また頑張ろう」というスタンスで学校に慣れさせていきましょう。

学校以外の選択肢を増やす

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もし学校に戻るのが難しい場合は、選択肢を増やしてあげましょう。学校以外にも、地域の学習塾やフリースクール、オンラインレッスンなど学べる場所や人と交流できる場所はたくさんあります。

これらの選択肢を増やすことによって、もしかしたら子どもにとっての居場所が見つかるかもしれません。子どもと一緒に話しながら、いろいろな選択肢を模索してみてください。

専門機関に相談してみる

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もし不登校で困ったことがあれば、専門機関に相談しましょう。心療内科やメンタルクリニック、児童相談センター、不登校の相談窓口など相談窓口はたくさんあり、不登校に関する具体的なアドバイスがもらえます。

不登校への対応でやってはいけないNG行動

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「何とかして不登校の状況を脱しなければ」と焦りを感じてしまう親が多いことでしょう。しかし焦ってしまった結果、行動次第では不登校が深刻化する可能性があります。では不登校への対応でやってはいけないNG行動には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

子どもを頭ごなしに注意する

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不登校への対応でやってはいけないNG行動は、子どもを頭ごなしに注意することです。確かに学校に通えていない状況を見ると、「なまけている」「さぼるべきではない」と考えてしまうかもしれません。

しかし、子どもには学校に通えない事情があり、その事情を聞かずに頭ごなしに注意してしまうと、「親は全く話を聞いてくれない」「自分には味方がいない」と徐々にふさぎ込んでしまうこともあります。

子どもにとっても学校に通えない状況は危機として感じていることもあるので、頭ごなしに注意するのではなく、話を聞いたり、そっと見守ったりしましょう。

無理やり学校に連れていく

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保護者にとっては、どうにか学校に通わせようと無理やり連れて行こうとするでしょう。しかし、無理やり学校に連れていくことはおすすめできません。

不登校の子どもにとって学校は、恐怖や不安、孤独感などネガティブなイメージがあるため、たとえ1日だけ学校に行けたとしても、再度登校するのが怖くなってしまうこともあります。

無理やり学校に連れていく行為は、本人を精神的に追い詰めることにつながりやすいです。

最初は見守るところから始まり、学校に行ってみたいという本人の意思が明確になった際は、スモールステップ方式で慣らしていきましょう。

ほかの子どもと比較する

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不登校の子どもに対してやってはいけないNG行動の1つは、ほかの子どもと比較することです。「近所の○○君は学校や塾、習い事も頑張っているのに」と比較されてしまうと、子どもは「自分はダメな人間なんだ」と徐々に自信を無くしてしまいます。

何気なくやっている行為ですが、本人の自己肯定感を下げてしまうので注意が必要です。不登校であっても、もし本人が熱心に取り組んでいることがあれば、素直に褒めてあげましょう。

見守ることが大切!不登校の子どもに適切な対応を取ろう

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本記事では、不登校の対応策について解説しました。不登校に陥った場合は、現状を受け入れた上で子どもの話を聞いて対応を取ることが大切です。焦ってしまった結果、誤った対応を取ってしまうと不登校が悪化しやすくなります。もし、困った場合は専門機関に相談してみてください。